占術・その(二)ルーツ

実は、占術も剣術も忍術も各種の演芸も、そのルーツが一様に陰陽修験道に見るのは否定できない事実であり、その後の歴史の変遷の中で独自のものに変化を遂げては行くものの、当初の目的が治世の安定の為に原始信仰から渡来神道や仏教の経典まで習合させて採用された所から始まった事である。

信仰や占いは、有史以前の群れ社会発生時から政治利用されるべき存在だった。

そして結論から言うと、世の中には占いや信仰を利用した者と占いや信仰に巻き込まれた者が居ただけである。

今日の現代人が神官や僧侶に対する既成概念で間違い易いのは、主として江戸期以降の分業化した身分制度の神官や僧侶を想定する所である。

本書で何度も記述している通り、室町期の末期までは公家や武士は言うに及ばず神官や僧侶も氏族の特権的な身分で、公家や武士とは兼業みたいなものであるから修験道師、東蜜台蜜の両修験坊も氏族の出自で、祝詞(のりと)や経(きょう)を読みながら京八流の流儀を基本として派生した剣術武術の鍛錬にも余念が無かった。

つまり神官や僧侶も利の為には殺生もするし、信仰そのものも己の「利」の目的の為に利用するものだった。

我輩があえて言うならば、占い師が言う事の意図的な大きな間違いは、占いの結果「ああしろこうしろ」と以後の対策をアドバイスする事である。

しかし運命は「小細工で変わるものではない」と言う事が現実で、「運命は不変」であり何か変えれば変わるものではない。

信じない者には「当たらない」と言う占い(占術)ほど、都合が良く出来ているものはない。

話を良く聞いていると九十%以上は常識的な事を言っていて、当たっても不思議ではない。

心理テストや調査の効く過去はトリックで依頼者にも符合(ふごう/一致)確認が出来るが、未来はその時が来るまで誰にも判らない。

従って心理トリックで過去を言い当てて依頼者の思い込みに成功すれば、占い(占術)は成功し出鱈目な未来予測も信用される。

つまり占いで判るのは運命予測だけで、金儲け占い師のアドバイスに従っても運命は変えられず、言わば無駄な努力である。

現に占い師の言う事を聞いても、好結果など得られない。

しかし運命が判っても、変えられないのでは相談料を払う者が居なく成るから占い師は適当なアドバイスを言うのだが、その見料は宝くじを買う程度の「夢を買う代金」くらいに思うしかないのである。

よく占術師が口にする手口で、「先祖の霊が寂しがってうんぬん」と言うのがある。

人間の心得として説くのならともかく、占術師がそれを指摘するなど、そんな馬鹿げた事はありえない。

通常の人間の心情を考えて欲しい。

祖先にとって、「子孫は無条件に可愛い」のが人情で有って、「ないがしろにしたから呪う」などと言う事はない。

そんなものは身内が言うのはともかく、占術師か宗教家が言うには飯の種にする為の脅しで、死者を含め人の心を弄(もてあそ)ぶ者こそ罰(バチ)が当たるべきである。

不思議な事に、占い師や宗教家は「地震」を予測出来ないが、起きた地震の原因が「為政者の信仰の無さだ」と言う事は、いとも簡単に判るのだ。

同様に「個人の不幸」も、占い師や宗教家は前もって予測出来ないが、起きた不幸の原因が「墓や先祖を大事にしない事だ」とは、直ぐに判るらしい。

わざわざ自分を騙す必要があるのだろうか?
貴方は内心、この矛盾に気が付いている筈である。

にも関わらず、騙されたがっている貴方がそこに居る。
およそ信仰とはそう言うもので、非論理的な精神世界のものである。

この占術を称して、よく「中国四千年の重み」などと言うが、四千年が五千年になろうと、嘘は嘘である。

つまり、長い事信じられていた事が、翻されるから科学や文明は発展した。

昔から「言い伝えられているから」と言って「正しい」と言う証明にはけして成らない。

それを恥ずかしげも無く主張する所に、占術の本質がある。

占術・その(三)物忌み喜凶祓い】に続く。

関連記事
信仰の奇跡と脳科学】に飛ぶ。
吊橋効果(つりばしこうか)】に飛ぶ。
ホモサピエンス(知性人)】に飛ぶ。
ヒューマン(人間らしい、人間味、人間的)】に飛ぶ。
前頭極(ぜんとうきょく/脳部位)】に飛ぶ。
側坐核(そくざかく/脳部位)】に飛ぶ。

第五巻】に飛ぶ。
皇統と鵺の影人
【このブログの一覧リンク検索リスト】=【日本史検索データ
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ<=このブログのランキング順位確認できます。クリック願います(ランキング参戦中)。
未来狂 冗談の★公式HP(こうしきホームページ)
未来狂冗談のもうひとつの政治評論ブログ「あー頭にくるにほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ<=このブログのランキング順位確認できます。

[PR]

by mmcjiyodan | 2009-04-01 01:02 | Comments(0)  

<< 占術・その(一)迷信 占術・その(三)物忌み喜凶祓い >>