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精子劣勢遺伝とXY染色体

人間の遺伝情報を伝える染色体にはXとYがあり、女性のX染色体は二本在って片側一本のX染色体でも障害に対するスペアー機能が利き、新しい卵子に拠って生まれ変われる。

だが、男性を形成する染色体はX染色体とY染色体の各一本で構成される為にY染色体は一本限りで、生殖の過程でY染色体に遺伝情報的な欠陥が生じても修復される事なく男性に限り延々と子孫に受け継がれるものである。

人間の性染色体の形式はXY型であり、これ以外の性別決定機構もない為にY染色体の有無に拠って男女の性別が決定する。

つまり男性の場合は「X染色体とY染色体の二本」で構成され、女性は通常「X染色体のみが二本」で構成されるのだが、遺伝子異常などで一本になっても(ターナー症候群)女性として生まれる。

同様に、X染色体とY染色体を一つずつ持つ筈の男性がX染色体二本とY染色体を一本持っていても(クラインフェルター症候群)男性として生まれる事が判っている。

ここで問題なのが、男性に限り延々として子孫に受け継がれるY染色体である。

女性の場合はX染色体のみが二本受け継がれるので、染色体の内一本に損傷が出ても他の一本が正常に機能して正常な遺伝が子孫に受け継がれて行く。

所が、延々として男系子孫に受け継がれるY染色体は、何らかの欠陥が生まれても代替の染色体を持たないから欠陥を抱えたままのY染色体を持つ精子が延々と子孫に引き継がれる為、基本的にY染色体は劣化の道を歩んでいる。

Y染色体を持つ男性でなければ精子は造れない。

そこに現在の社会基盤である「一夫一婦制」に拠り、自然淘汰に拠る強い精子の選別(競争原理)が出来なくなって、殊更に劣化した精子に拠るY染色体が延々と引き継がれる事になる。

こう言う事を書くと現代の貞操観念で「大勢の男を性交相手に持つなどとんでもない」と言うだろうが、卑弥呼の女王国(邪馬台国)では多くの男性が取り巻く女王蜂状態だった。

時代が下がった平安期までは「妻間婚(呼ばう婚)」で、言わば女性がその気に成れば何人でも寝屋に引き入れた。

Y染色体が正常再生が不可能なものなら、せめて自然淘汰に拠る強い精子の選別(競争原理)が可能となる群れ婚(乱交)状態が子孫の継承には理想的だが、人間は「生活基盤の安定」と言う社会性(男性のエゴかも知れない)を採って、女性にそうした機会を与えてはいない。

また近親婚に拠る劣勢遺伝も、或いは同一染色体の欠陥が増幅されて劣勢遺伝の確立が高まる事も一因かも知れない。

古代は群れ婚に拠る乱交が優秀な男性精子を競争の中で選択させる環境が守られていた。

これはあくまでも生物としての自然の法則だけで捉えた見解であるが、如何なる社会性を鑑みても「滅亡してから気が付いた」では遅いのではないか?

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遺伝子関係の詳しくは・小論【ホモサピエンス(知性人)の「種の保存と遺伝子」】を参照下さい。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

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by mmcjiyodan | 2009-05-14 11:44  

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