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靖国神社と松平永芳(まつだいらながよし)

それでは、靖国神社の問題を考えて欲しい。

日本の神話の始まりは中華大陸に近い九州(対馬海峡寄り)・山陰地方(中国地方日本海側)、太平洋伊豆七島及び伊豆半島地方に集中している。

これは、それらの神話が原則的に中華大陸の漢字圏から渡海して来た渡来部族現住民族(蝦夷族)を統治する為に為した自らを神に捏造流布の神話だからである。


宗教を政治に利用したり権力維持に利用するのは当然の発想である。

先の大戦(大西洋戦争)時戦争遂行の為に「戦死したら靖国神社で神として祀られる」とまさに神を利用して国民に刷り込み教育をした事例もある。


国の為に戦った尊い戦争犠牲者を「大切に祭って何が悪い」と言う論調で、事の本質、つまり「権力者の邪(よこしま)な欲望の犠牲者に成った」と言う事を上手く摩り替えていまいか?

皆、自爆テロと戦争犠牲者を「別のもの」と勘違いさせられているようだが、我輩には「本質は同じ」と思われるのである。

確かに角度を変えて見れば、国と家族を守る為の立派な犠牲行為であるが、そこばかりを強調して「美談に摩り替える」のはいかがなものであろうか?

ここで問題なのは、戦争犠牲者を「立派な行為」と祭り上げる事が、自爆テロのジハード(聖戦)を奨励する宗教指導者と同じ影響をもたらす事である。

つまり、この手の美談は「権力者に利用され易い」と言う事で、靖国神社は歴史的に元々その為の施設である。

申し添えて置くが、庶民の戦争犠牲者を弔い祭る方法は別に幾らでもある。

それを敢えて靖国神社に祭り、「神に成った」と言う事に「権力者の政治的意図がある」と解釈すると、ジハード(聖戦)と「どれだけの差がある」と言うのであろうか?

それにしても、靖国神社は利用され多くの戦死者が祭られている。

官僚化した維新の英雄達の、民意誘導の陰謀で有る。

まったく、頭の良い官僚は自分だけは特別だと思っているから、他人の痛みに心が無い。

この発想、英霊には申し訳ないが、腹の中はそんな純粋なものでは無い輩が靖国を利用している気がして成らない。

A級戦犯の合祀に疑問を挟まず、「国の為に亡くなった尊い御霊」と美化する輩は多いが、そう言う人間に限って、自分は安全圏に居て、今後も「国の為に」と、国民に犠牲を強いる目論見が、発想の中に在る指導者である。

敗戦の折、切腹にて自決した阿南陸軍大臣の潔さに比べ、逮捕にやって来た進駐軍の目前で短銃自殺に失敗、女々しく法廷に立った東条英機に靖国合祀の資格ありや?

切腹も出来ず拳銃で死に切れない彼は、まさしく陸軍の官僚だった。

そんな情けない者が、「国の為に死んで来い。」なんて演説していた。

例え米国に追い込まれた結果の開戦とは言え、戦陣訓を想起し、「生きて俘虜の辱めを・・・」と退路を断ち、九割が戦闘ではなく「病死、餓死、自刃、特攻」と言う過酷な死を兵に課した責任を、そして敗戦責任を、何故「靖国A級戦犯合祀問題」の論議から外す。

圧倒的に劣る軍装備、補給体勢、前線に届くのは「精神論ばかり」で、戦わされたのが過酷な前線だった。

それを今更、奇麗事で、「靖国が戦死者の魂の拠り所だ」と言う。

死者は語らないが、その靖国にA級戦犯たる戦争指導者と、「合祀されるのは無念」と思う英霊は多い筈である。

果たして英霊が、この事実を美談の影に隠されて本当にA級戦犯合祀の状態で安らかに眠れるのだろうか?

つまり合祀問題は、外圧論議や条約論議などと言う次元の話ではなく、純粋に日本国内問題である。

現在靖国神社のA級戦犯合祀問題で、国の内外から疑問の声が上がっている。

合祀当時の第六代靖国社宮司・松平永芳氏は元福井藩主・松平春嶽の子、宮内大臣・松平慶民(まつだいらよしたみ)子爵の長男で終戦時海軍少佐だった。

松平永芳・元少佐は、戦後は陸上自衛隊に入隊。

昭和四十三年、一等陸佐で自衛隊を定年退官、福井市立郷土歴史博物館長を務めた後、昭和五十三年に第六代靖国社宮司に就任、同年十月、A級戦犯十四柱の合祀に踏み切る。

松平永芳氏が、元福井藩主松平春嶽(明治維新時の幕府側主役の一人)の孫にあたる所から、遡れば徳川家康の次男で福井藩々祖・結城(ゆうき)秀康の子孫にあたり徳川家康の子孫でもある。

何故、神職の経験のない元軍人の松平永芳氏が、社格の高い靖国社宮司に成れたのか、それは靖国社が神社本庁に属していない特別な存在で、戦前は軍の管轄にあった事による。

我輩が「本書」で記述している通り、神社の歴史的本質が信仰では無く、「氏の支配」の発想である事が如実に反映されたもので、つまり血統が良ければ、「神職の経験或いは僧の修行が無くても高位の神官、高位の僧侶に成れる」と言う日本の古来からの独自の氏文化、「氏と信仰の関わり」が未だに続いているのである。

信仰の奥深い所を知らなくても血統が良ければ人を導く事が出来るのは、過去、信仰が統治の具、馬鹿げた虚構であった証拠である。

靖国社は、その成り立ちからして特殊な運命を背負っており、当然ながら、今後も軍や当時の指導者の立場を代弁し続けるであろう。

しかしながら、お国の為に散って行った「尊い英霊の御霊(みたま)」をやすんじる為の宮司が「神職末経験の素人」とは、英霊遺族の思いをも踏みにじる「笑止噴飯物」と思うのは我輩だけだろうか?


昭和天皇・裕仁(ひろひと)陛下と、今上天皇(きんじょうてんのう/平成天皇)であられる継宮(つぐのみや)・明仁(あきひと)陛下の東条英機(とうじょうひでき)氏への想いは、戦犯合祀後の靖国神社参拝に対する御意志で推測がつく。

昭和天皇・裕仁陛下も、現在の今上天皇・明仁陛下も、「A級戦犯合祀」が公に成って以来「靖国神社」には参拝しては居ない。

東条英機(とうじょうひでき)】に続く。

参考文章・小論【太平洋戦争の遠因・・張作霖爆殺事件・柳条湖事件の陰謀】を参照下さい。
小論【真珠湾攻撃(日米開戦)】を参照下さい。
小論【安倍晋三首相・靖国神社に参拝する】を参照下さい。
小論【広島・長崎 原爆被爆概略史】を参照下さい。


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by mmcjiyodan | 2009-05-22 03:04  

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