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秋田美人と粛慎(ミセハシ)の謎

日本書紀によれば、阿倍比羅夫(あべのひらふ)は六百五十八年に水軍百八十隻を率いて日本列島東北部の蝦夷を討ち、さらに「粛慎(ミセハシ)」を平らげた。

粛慎(ミセハシ)は本来満州東部に住むツングース系民族を指すが、日本書紀がどの様な意味でこの語を使用しているのか不明である。

実は北東アジア大陸の諸族をツングース系民族と言うのだが、ツングース系民族は地形上ロシア人との交易も盛んで、民族事情を良く知らない第三者にはロシア人をツングース系民族と混同する可能性も在り、日本書紀の中の粛慎(ミセハシ)の記述が中国文献中の粛慎(しゅくしん)と同じものであるとは言い切れない。

それにしても、この阿倍比羅夫(あべのひらふ)の東北進攻、半島で百済と新羅とが戦火を交え、大和朝廷も百済に援軍を送っている時にしては、よくも大軍を「奥州に派遣できた」と、若干の疑問も残る。

東北蝦夷統一王の安倍氏の歴史を、大和朝廷の成果として後世に伝える為に、時代をずらして日本書紀に組み込んだ可能性もある。

または、阿倍比羅夫(越国主・えつのくにぬし)はまだ独立していて別行動を取っていたのだが、後に大和朝廷に合流して「朝廷の歴史として後で組み込まれた」と、考え得るのかも知れない。

現在の秋田県の雄物川の河口のアギタ浦(今の秋田市)に着いた時、アギタ蝦夷の首長の恩荷(オガ)は安倍比羅夫に恭順した。

阿倍比羅夫はこの恩荷に「小乙上(しょうおつじょう)」と言う、六百四十九年(大化五年・奈良時代)施行の「冠位十九階」中十七位の官位を与えている。

その後、阿倍比羅夫は更に北ヘ行き、ヌシロ(能代) ツガル(津軽)の蝦夷の頭領を郡領(コオリノミヤッコ)に任命している。

そして、有間浜(岩木川の河口?)に渡島(今の北海道?)の蝦夷を集めて懐柔の饗応をしている。

更に、肉入籠(シシリコ)に至って 後方羊蹄(シリベシ)に郡領(コオリノミヤッコ)を置いた。

同年七月には、二百余人の蝦夷が飛鳥の朝廷に朝貢(ちょうこう)に来ている。

その後、六百六十年(斉明六年)三月には、阿倍比羅夫は二百艘の大船団を引き連れて第二次遠征に出発している。

阿倍比羅夫が、ある大河の河口に来ると、渡島(ワタリシマ・北海道?)の蝦夷が千人ほど集まっており、この中から二人の蝦夷が走り出して来て、ここに突然粛慎(ミセハシ)の船が襲って来たので「助けて欲しい」と安倍比羅夫に懇願した。

そうこうする内に粛慎(ミセハシ)が比羅夫を攻撃して来たので、両軍は矛を交える事になった。

これには征服をしに来た比羅夫に助けを求めるなど、記述内容に矛盾がある。

だとすると、推測するに比羅夫本人が蝦夷の王だからこそ比羅夫に助けを求めたのではないのか?

比羅夫は戦闘の末、粛慎(ミセハシ)の内四十九名を捕足したが、比羅夫の側にも能登臣の馬身竜が戦死している。

面白い事に、メラニン色素の割合で言っても「秋田美人」に喩えられる秋田の人の白人の様な肌の白さは東北の中でも群を抜く結果となっていて、秋田県を中心とする東北の一部に明らかに白人との混血種日本人が多く存在してる事も知られている。

或いはそれらが、有史以前に日本列島に到達していた粛慎(ミセハシ)と呼ぶ実は欧州系の白人種(ロシア人)だったのかも知れない。

この粛慎(ミセハシ)と言う部族は少なくともこの 地方(奥州・渡島)に住んでいる蝦夷とは違った種族だった。

彼ら捕虜は、生きた熊二頭と熊の皮七十枚と一緒に朝廷に戦利品として献上されている。

この秋田美人について、東北地方の日本海側は全国的に見て日照時間が少ない事から、秋田に住む人は紫外線による影響が少ない上、冬季は積雪が多く屋内に篭り勝ちになる事も「肌が白い事の原因」として考えられる説がある。

言わば、経時変化への相当必要時間を無視した根強い「メラミン色素説」である。

つまり秋田美人の色白がメラミン色素説ならば、同じ緯度・同じ黄色人種系のアラスカ・エスキモー種(イヌイット )やネイティブアメリカン種(カナダ・インディアン)も、居住環境に拠っては色白でなければならない。

また同じ緯度に住むロシア人の中にも白色人種系と黄色人種系の部族がハッキリ混在していて、メラミン色素説ではどの人種も白く成り、その色分けは無くなる筈ではないのか。

そして何よりも、白色人種の列島渡来を伺わせる古文書や伝承の類をまったく無視して良いのだろうか。

ナニャドヤラ・古代ヘブライ(ユダヤ)伝説】に続く。

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◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

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by mmcjiyodan | 2009-10-18 04:20  

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