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錫杖(しゃくじょう)

錫杖(しゃくじょう)とは、陰陽修験の金属製の頭部に輪形の固定されない輪を鎖風に遊ばせて設(しつら)えた遊環(ゆかん)を特徴とする杖状の法具である。

錫杖(しゃくじょう)を振ってその遊環(ゆかん)をシャクシャクと打ち鳴らして呪詛法要のリズムを取る他、合図としても使われる修験山伏の象徴的必需具だった。

大和朝廷)の「神の威光で統治する」と言う呪術的発想の「統治理念」の為に、表向き「陰陽修験の信仰組織」とした「秘密警察組織」と思われる賀茂氏の修験道行者頭・役小角(えんのおづぬ)とその配下の山伏達は、武装組織であるから杖術を基本として独特に工夫した山伏兵法を編み出ている。

杖術の基となった錫杖(しゃくじょう)は、修験修行僧が携帯する道具(比丘十八物)の一つ「杖」である。

呼び名に関しては、有声杖、鳴杖、智杖、徳杖、金錫などとも言う。

銅や鉄などで造られた頭部の輪形に遊環(ゆかん)が六個または十二個通してあり、打ち振るとシャクシャクと音が出る仕組みになっていて、この杖を振るとシャクシャク(錫々)と言う音が出る所から「錫杖の名がつけられた」とも言われる。

その音には僧が山野遊行の際、禽獣や毒蛇の害から身を守る効果があり、托鉢の際に門前で来意を告げる事にも使われ、教義的には音が魔を退散させ、場を清め、煩悩を除去し「智慧を得る効果がある」とされる。

錫杖(しゃくじょう)は修験修行僧の護身用の武器でもあり、後に杖術として発展する他時代が下がった鎌倉・室町などでは、中に細身の刀を仕込んだ「刃込錫杖」なども見られ、また仏像に於いては地蔵菩薩などが持物(じもつ)として持つ事がある。

修験修行僧が持つ錫杖の長さは、通常百七十cm前後と当時としては背丈ほどの永い物であるが、「手錫杖(てしゃくじょう/短錫杖)」と言われ法会、儀礼の場で使われる梵唄(ぼんばい/一種の経読み)作法用の柄の短いものが在る。

この錫杖から発生した杖術が、後に剣術・槍術・柔術・忍術(しのびじゅつ)へと分化発展して、各々の完成された武術に進化して行く事になる。

槍術、剣術などの古い流派は、いずれも「陰陽師に祖を発する」と言われ、京八流、関東七流などが在る。

また、この「神の威光で統治する」と言う建前を基にしたが為に武力が似合わず、警察力欠如の環境が平安時代以降に京八流や関東七流を必要とする各入植地の自衛農民団もしくは自衛海運業者団としての武士団の発展を促し、各寺社も僧兵を整備させる結果を為したのである。

賀茂の六輪の手錫杖(てしゃくじょう/短錫杖)は、伝教大師・最澄が中国天台の本山から持ち帰った由緒ある錫杖だった。

この賀茂の手錫杖(てしゃくじょう/短錫杖)は法会、儀礼用で、七百年代末頃に征服王「桓武天皇」から賜った葛城氏族系賀茂家の家宝である。

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by mmcjiyodan | 2009-12-07 05:22  

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