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天岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)

天岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)は、太陽神である地上の最高神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩屋に隠れて岩戸を閉じ、地上が暗闇の世界に成ってしまった事に始まる伝説である。

そもそもの天岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)に拠ると、陸地を支配する「天照大神」が岩戸に籠もった原因は、「海を支配する弟神・須佐之男命(スサノオのミコト)の度重なる悪行に拠る」とされている。

この事は、我が国・日本列島に於いて、農耕民族系・加羅族(天孫族・山の民))海洋民族系(呉族・海の民))の覇権争いを伝えているのである。

平穏な世界に災いをもたらす「弟神・須佐之男命(スサノオのミコト)」は、何を暗示しているのか?

この須佐之男命(スサノオのミコト)の「度重なる悪行」がこの物語のヒントで、異民族同士の支配地争いであれば大陸山間の稲作系民族と海洋民族の図式が成り立ち、実に判り易い。

つまり、大陸山間の稲作系民族の太陽神・天照大神(アマテラスオオミカミ)と海洋民族・須佐之男(スサノオ)の命が、「日本列島の覇権を争そっていた」と解釈できるのである。

それにしても、部族同士の戦を何時までも続ける訳には行かない。

そこで考え出されたのが、誓約(うけい)に拠る部族の統合である。

異部族・異民族も、誓約(うけい)の性交の後生まれるのは両者混血の子供達で、この誓約(うけい)の精神こそ民族和合と言う最大の政(祭り)事の神事である。

神事の性交こそ、シャーマニズムに満ちた神楽舞の真髄なのではないだろうか。

天岩戸に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)は、天宇受売命(あめのうずめのみこと)の胸も女陰も露わなストリップダンスの賑わいにつられて岩戸を少し開け、外を覗き見た。

そのチャンスに、天手力雄命(あめのたぢからおのみこと/手力王の尊)が岩戸を引き開けて天照大神を連れ出し、天照大神のまわりに「しりくめ縄を引き巡らした」と言う神話が伝えられている。

この「尻久米(しりくめ)縄」の略したものが「しめ縄」である。

尻久米(しりくめ)縄の久米(くめ)は「出す」を意味している事から、直訳すると「尻を出す縄」と言う事に成る。

神聖な伝承に於いて、天照大神が「しりくめ縄を引き巡らされる」・・・この意味するものはいったい何だろうか?

解釈に拠っては天手力雄命は天照大神を岩戸から引きずり出して尻を出す形で縛り上げ「須佐之男命(スサノオのミコト)に供した」と受け取れるのである。

こんな解釈をすれば嘘で固めた良識派の「尻久米(しりくめ)縄を巡らしたのは岩戸の入り口の方だ」と反発はあるだろうが、この「天の岩戸伝説」を解するに「異民族同士の誓約(うけい)儀式の顛末伝承」と考えれば「尻久米(しりくめ)縄」に神代誓約(じんだいうけい)儀式の「リアルな意味が込められている」とも解釈できる。

つまり「尻久米(しりくめ)縄」に掛けられた天照大神(あまてらすおおみかみ)が、須佐之男(スサノオ)の命(みこと)に供されて異民族同士の誓約(うけい)儀式が成立し、「異民族の和合が成立した」と言う生々しい話かも知れないのである。

この岩戸隠れの時、三種の神器(みくさのかむだから/さんしゅのじんぎ)の一つ八咫鏡(やたのかがみ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、天の岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)に於いて、岩戸に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)を誘い出すツール(道具)として使われたとされる。

我が国の「祭り(祀り/奉り)」の意味合いでは、政治を「マツリゴト」と表現し「お祭りをする」は性交の隠語でもある事の解釈である。

これこそが、天岩戸伝説を始めとする誓約(うけい)に拠る異民族統合を経験したこの国の成り立ち意味しているからである。

つまり最大の政(祭り)事(政治行動)が誓約(うけい)の性交に拠る異民族和平だったからこそ、祭事(祀り/奉り)=政治(マツリゴト)=性交(せいこう)と言う言葉への解釈に、同じ意味合いを持たせる共通認識が過去に存在したのではないだろうか?

そして神社境内は「氏神(氏上)の神域」に成り、その神域の結界を示すものが、「しめ縄(しりくめ縄)」である。

つまりその接点は、日本列島他民族乱立時代の部族融合の為の誓約(うけい)人身御供伝説の神話の世界が形成されるのである。

実はこれらの神話は、多くの多部族・多民族が日が昇る東の外れの大地・日本列島で出遭った事に始まる物語である。

その多部族・多民族が夫々(それぞれ)に部族国家(倭の国々)を造り鼎立していた日本列島を混血に拠って統一し、日本民族が誕生するまでの過程を暗示させているのである。

天武天皇(てんむてんのう/大海人皇子)が政治的思惑も含め、皇子の舎人親王(とねりしんのう)を使って編纂を始めさせた古事記日本書紀に於けるエロチックな神話から人身御供伝説までの物語が、創作された。

それを、桓武帝修験道師を使ってまで喧伝仕掛け、「性におおらかな庶民意識」を創り上げた背景の理由は簡単な事で、異部族を混血化して単一民族に仕立てる事であり、為政者にとって見れば搾取する相手は多いほど良いのである。

つまり天武大王(てんむおおきみ/天皇)が始めて桓武天皇(かんむてんのう)がほぼ編纂を締め括った壮大な歴史改ざん文献が古事記・日本書紀である。

尚、三兄妹・三貴神(ウズノミコ)である天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみのみこと)、スサノウ(須佐王)は、「記紀(古事記日本書紀)神話」に於ける「)」の伝承的存在である事を心して分けて扱うべきである。

詳しくは【天照大神・天の岩戸伝説は只の神話か?】に飛ぶ。
詳しくは、小論【誓約(うけい)】をご参照ください。

尚、天手力雄命(あめのたぢからおのみこと/手力王の尊)が開けた天岩戸が信州まで飛んだという伝説が在り、戸隠れの地名が生まれて仁科大助(戸隠大助)と戸隠流(とがくしりゅう、とがくれりゅう)忍術の伝承に続いている。

日本の伝説リスト】に転載文章です。

◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

◆世界に誇るべき、二千年に及ぶ日本の農・魚民の性文化(共生村社会/きょうせいむらしゃかい)の「共生主義」は、地球を救う平和の知恵である。

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by mmcjiyodan | 2009-12-31 01:18  

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