岡田以蔵(おかだいぞう)

岡田以蔵(おかだいぞう)は、維新動乱期のあだ花とも言える「人斬り以蔵」と呼ばれた反体制側のテロリストである。

彼が不幸だったのは師事した相手が、後に尊皇攘夷に傾いて土佐勤皇党を起こした武市瑞山(たけちずいざん/半平太)だった事である。

以蔵(いぞう)は二十石六斗四升五合の郷士・岡田義平の長男として土佐国・香美郡岩村に生まれ、弟に同じく勤皇党に加わった岡田啓吉がいる。

父・義平が、千八百四十八年(嘉永元年)に土佐沖に現れた外国船に対する海岸防備を目的に土佐藩足軽として徴募されて高知城下の七軒町に住むようになり、以蔵はこの足軽の身分を継いで我流ながらも剣術がかなりの腕前で在った以蔵(いぞう)は、武市瑞山(たけちずいざん/半平太)に師事し小野派一刀流剣術を学ぶ。

瑞山(半平太)が土佐藩庁に江戸での剣術修業を願い出て藩臨時御用の名目を得、藩の許可を得て江戸に出るに同行させる五人の内の一人に指名された以蔵(いぞう)は、五十嵐文吉、多田三五郎、阿部多司馬、多田哲馬らと瑞山(半平太)従い、江戸に出て桃井春蔵の道場・士学館で鏡心明智流剣術を学ぶ。

その後も以蔵(いぞう)は、瑞山(半平太)に従って中国、九州の各地で武術修行を続け、やがて師である瑞山(半平太)が結成した土佐勤皇党に加盟する。

土佐勤王党には坂本龍馬(さかもとりょうま)中岡慎太郎(なかおかしんたろう)も加盟したが、両者は現実的でない瑞山(半平太)の攘夷運動に疑問を抱き尊皇倒幕を掲げて独自行動を採る中、以蔵(いぞう)は瑞山(半平太)に従って「暗殺」と言う過激な行動を繰り返し、薩摩の田中新兵衛と共に「人斬り以蔵」と呼ばれ恐れられる。

以蔵(いぞう)は、瑞山(半平太)の暗殺の道具として使われたのか在る時から土佐勤皇党の名簿から削られ、公武合体派の土佐藩下目付けの井上佐一郎を始め同志の本間精一郎や池内大学、森孫六・大川原重蔵・渡辺金三・上田助之丞などの京都町奉行の役人を暗殺している。

安政の大獄を指揮した奉行所与力・長野主膳の愛人・村山加寿江(村山たか)の子・多田帯刀などを天誅と称して暗殺、また村山加寿江は彦根藩・井伊直弼の妾より直弼腹心奉行所与力・長野主膳(ながのしゅぜん/義言よしとき)に妾として下げ渡され経緯のある女だった。

井伊直弼の愛人でも在った為に、村山加寿江(村山たか)は安政の大獄の際には京都にいる倒幕派の情報を江戸に送る直弼のスパイとなり大獄に大きく加担した女で在った。

本来は誅殺したい所であるが、捕らえた以蔵(いぞう)達は加寿江が女性の為に三条大橋の東に向かって左側の行詰まりの橋の柱に罰文を付けて縛りつけ三日三晩生き晒しにし助命している。

それにしても、この村山加寿江(村山たか)を三日三晩縛りつけて生き晒しにした話し、京都市左京区・金福寺の所蔵で「村山たか生き晒しの図」が残っているからには市中で評判に成っただろうから、見す見す幕府側に縁(ゆかり)ある加寿江に京都町奉行所も京都見廻り組も救出の手を差し伸べなかった事は大いに疑問である?

それほど京洛の地が、無政府状態に成ってしまっていたのだろうか?

或いはことさら尊王攘夷派の無法振りを天下に示す為に、村山加寿江(村山たか)の三条大橋の生き晒しを敢えて放置したのかも知れない。

瑞山(半平太)は土佐藩の多くの支持を得て白札から上士格留守居組に出世、更には京都留守居加役となるが、その年の八月十八日会津藩と薩摩藩が結託したクーデター(八月十八日の政変)が発生して土佐勤皇党の立場が一転、瑞山(半平太)が土佐に戻ると以蔵は土井鉄蔵と名を変えて一人京都に潜伏した。

しかし潜伏して居た以蔵(いぞう)は、クーデター翌年の千八百六十四年(元治元年)の年半ば頃、幕吏に捕えられ入墨の上京洛追放となり、同時に待ち構えていた土佐藩吏に捕われ国元へ搬送される。

土佐藩では吉田東洋(よしだとうよう)暗殺・京洛に於ける一連の暗殺について土佐勤皇党の同志がことごとく捕らえられ、上士格の武市瑞山(たけちずいざん/半平太)を詮議、下士の以蔵(いぞう)らは厳しい拷問を受けその過酷な拷問に耐えたが、遂に以蔵(いぞう)は全てを白状し、千八百六十五年(慶応元年)に打ち首の上晒し首となった。

武市瑞山(たけちずいざん/半平太)】に飛ぶ。

幕末~明治維新・人名と事変の周辺記事なら【クリックリスト】がお薦めです。

関連記事
尊皇攘夷運動(そんのうじょういうんどう)】に飛ぶ。
坂本龍馬(さかもとりょうま)】に飛ぶ。
大久保利通(おおくぼとしみち)】に飛ぶ。
中岡慎太郎(なかおかしんたろう)】に飛ぶ。
田中新兵衛(たなかしんべえ)】に飛ぶ。

第五巻】に飛ぶ。
皇統と鵺の影人
【このブログの一覧リンク検索リスト】=【日本史検索データ
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ<=このブログのランキング順位確認できます。クリック願います(ランキング参戦中)。
未来狂 冗談の★公式HP(こうしきホームページ)
未来狂冗談のもうひとつの政治評論ブログ「あー頭にくるにほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ<=このブログのランキング順位確認できます。

[PR]

by mmcjiyodan | 2010-01-05 09:13 | Comments(0)  

<< 田中新兵衛(たなかしんべえ) 武市瑞山(たけちずいざん/半平太) >>