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検非違使(けびいし)

検非違使(けびいし、けんびいし)は律令制下の令外官の一つで、「非違(びい/非法・違法の意)を検察する」の意味し、云わば現在の警察と裁判所を兼務した検非違使庁が設けられ、京都の治安維持と民政を所管した官人である。

凡そ八百二十年代頃に設置され、当初は衛門府の役人が宣旨によって兼務し、官位相当は無いがこの職が五位から昇殿が許され殿上人に出世となる目安となっていた。

四等官の長官(頭/カミ)に相当する「別当」、四等官の次官(助/スケ)に相当する「佐(スケ)」、四等官の判官(允/ジョウ)に相当する「大尉(ダイジョウ)」、四等官の判官(ジョウ)に相当する「少尉(ショウジョウ)」、四等官の主典(属/サカン)に相当する大志、少志などの官職からなる組織が編成される。

令外官ながら徐々に権限が強くなり、司法を担当していた刑部省、警察・監察を担当していた弾正台、都に関わる行政・治安・司法を統括していた京職等の他の官庁の職掌を段々と奪うようになり、検非違使(けびいし)は大きな権力を振るうようになる。

平安時代後期には平安群盗などの出没もあり、検非違使(けびいし)が令制国にも置かれ、刑事事件に関する職権行使の為に律令とはちがった性質の「庁例(使庁の流例ともいわれた慣習法)」を適用するようになった。

また、この頃から検非違使庁に於ける事務は別当の自宅で行われるようになった。

しかし平安時代末期になると摂関政治(せっかんせいじ)が弱体化し、法皇・上皇の院政(いんせい)に移行した為に御所の軍事組織である北面武士に取って代わられる。

治承のクーデター・寿永の乱の折、後白河上皇源義経(みなもとよしつね)検非違使に叙任し、兄・源頼朝(みなもとよりとも)との分断に使われ、この検非違使叙任を持って義経(よしつね)が「判官」と呼ばれた事は有名である。

鎌倉幕府が六波羅探題を設置すると検非違使庁は次第に弱体化し、室町時代には幕府が京都に置かれ侍所(さむらいどころ)に権限を掌握される事になった。

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by mmcjiyodan | 2010-05-23 22:32  

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