まほろば(マホロバ)

古代史を学ぶと、必ず「まほろば/マホロバ」と言う言葉に出会う。

「まほろば/麻本呂婆(マホロバ)」とは、「素晴らしい場所」或いは「住みやすい場所」と言う意味の日本の古語と現在に伝えられている。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト・倭建命)が詠んだと伝えられる「夜麻登波久爾能麻本呂婆  多多那豆久阿袁加岐  夜麻碁母禮流  夜麻登志宇流波斯」は、「大和(やまと)は国のまほろば  たたなずく青垣  山隠(やまこも)れる  大和し麗(うるは)し」と読む。

「渡来部族が日本列島に遣って来た当初、原住・縄文人(蝦夷族/エミシ族)は言語がまったく違う為に「通訳が必要であった」と言うくらい渡来部族に取っては異民族であった。

そして縄文期から弥生期に掛け、渡来部族と原住・縄文人(蝦夷族/エミシ族)の間で共存の為の意志の疎通と言う必要に駆られて、後に日本語と成る奇跡の言語・大和言葉が編み出された。

まほろば(マホロバ)」の「バ」には「場」であろうと言う説があり、「場」の音読みは中文(中国語/漢音)では「チョウ」と発音し、呉音 では「ジョウ」と発音して現在の日本でも「場(じょう)」は音読み表記に使われ、訓読みでは「ば」と発音されてている。

因みに「バ(場)」は、韓国語・朝鮮語では「場(ジャン・チャン)」と発音され、つまり「バ(場)」は中・韓には関わりがなさそうである。

まほろ(素晴らしい)バ(場所)の「まほろ」は「まほら」とも言い「バ(場)」は「ま(間)」とも言い、「まほろバ」を「まほらバ」とも「まほらマ」とも表示しているが、「まほろ・まほら」の語源の由来が何語だったのかなどが不明である。

断って置くが、日本語の現状を見れば判る通り言語は時代と伴に激しく変化する物であり、アイヌ語だけが永く不変などと言う事は在り得ない。

従って日本語のアイヌ語起因説の言葉について「類語が現存しないから」と言って「間違い」と決め付けるアイヌ語研究者が存在するが、態度として如何なものだろうか?

もし日本語とアイヌ語が「まったく違う言葉だ」と主張するなら、結局その方は縄文期から弥生期に移る過程の理解を曖昧のままに遣り過ごして居た事に「気が付いて居ない」と言う、とんでもない話しなのである。

そして驚いた事に、かの研究者は縄文期から弥生期に移る過程を無視し、日本人或いは日本語とアイヌ人或いはアイヌ語をスッパリと切り離して「それは日本語、これはアイヌ語」と断言しているのである。

九州の鬼八伝説を始め日本列島各地に鬼・鵺・土蜘蛛の伝説が散見される事から、日本人が列島の西半分に最初から住んで居て、縄文人(蝦夷族・アイヌ族)が最初から東北・北海道に限定的に住んでいたなどと言う強引な主張は現実的ではない。

そしてこの現代に、「天孫降臨」などと言っても誰も信じないし、それよりも彼等が「船で列島に渡って来た」と言う方が遥かに現実的である。

そして天孫降臨伝説を解釈すると、列島全域に居住していた原住縄文人(蝦夷族・アイヌ族)が、「文明を携えて渡来して来た部族に北に追い遣られた」とする方が遥かに現実的である。

極め付けは、現在の東北地区にアイヌ族(蝦夷族/エミシ族)の痕跡を本人が認めながら「猿(サル)」の話しに成ると突然「猿(サル)は北海道には存在しない」から、アイヌ語に「サルと言う言葉は無い」のだそうだ。

それでは中文(中国語/漢音)では「エン」と発音する「猿(サル)」の「サルと言う発音」は何処から来たのだろうか?

東北地方の地名に多くのアイヌ語起因説があるのは、いったい何なのだろうか?

つまり訓読みの「バ(場)」は、まったく確証が無い話で恐縮だが、もしかしたら「縄文語・アイヌ語起因かも知れない」と思ったのだ。

日本古代史の弱点は、縄文期から弥生期に移る過程を古事記日本書紀で政治的にロスト(欠落)させた事にある。

日本史には、所謂(いわゆる)右脳域の「虚・文化としての歴史」と左脳域の「実・現実の歴史」が混在し、「虚」は精神世界のもので「実」は必ずしも精神世界と合致する物ではない。

日本人は、この弱点と確り向き合わないで来た為に、歴史認識に於いて整理が尽いていないのではないだろうか?

そこで我輩は、理想郷の意味と解釈される「まほろば(マホロバ)の語源由来」を、若干資料不足を承知でアイヌ語起源説を提起したい。

実は、マホロバの「ホロ」に関してはアイヌ語に漢字の「幌」を充てた地名を数多く見かけ、代表的な地名に石狩地方の札幌(サッポロ/乾いた広いところ・サッ・ポロ・ペッ/湿原を流れる大事な川)市が在る。

その他、十勝地方の士幌(シホロ/本当に大事な川)町、留萌地方の羽幌(ハボロ/うばゆりの自生する川)町、網走地方の美幌(ビホロ/水量がある川)町、空知地方の幌加内(ホロカナイ/後戻りする川)町、留萌地方の幌延(ホロノベ/広い原野)町、日高地方の幌満(ホロマン/洞窟から流れ出る)川などが、「幌(ホロ)」を使っている。

アイヌ語に於ける「ホロ」は、どうやら「川のある土地」の意味のようだが、ご承知のように人類は川の畔(ほとり)で生活する事から古語の解釈「素晴らしい場所」或いは「住みやすい場所」と意味合いが矛盾しない。

つまり日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が詠んだとされる「まほろば」の歌の内容は、王城の地と定めた飛鳥川、葛城川、大和川などに代表される大和川水系や淀川水系の加茂川(鴨川)の流域 など畿内・大和(やまと)の地を「国のまほろば(素晴らしい場所)」と称えているのである。

まぁ日本神話に於ける日本武尊(ヤマトタケルノミコト・倭建命)の存在その物が、近年では「古事記に於ける架空な創造上の人物である」とされているのだから、この「麻本呂婆」の歌も尊(ミコト)が詠んだと言う確証は無い。

詳しくは、小論【大和(やまと)のまほろば(マホロバ)】を参照。

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by mmcjiyodan | 2010-12-11 02:47 | Comments(0)  

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