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信長旗本衆・黒母衣衆(くろほろしゅう)と赤母衣衆(あかほろしゅう)

織田信長は、父・織田信秀(おだのぶひで)から受け継いだ譜代の重臣を心服させる一方で、池田勝三郎(恒興)を軸に年齢の近い若者を身分を問わずに採用して組織化し、普段は遊びながらの奇行とも思える奇想天外な戦術実験と訓練をして、若手ばかりの旗本親衛隊を育て持っていた。

池田勝三郎(恒興)の母・養徳院が信長の乳母となった事から、二歳年下の勝三郎(恒興)は幼少の頃から信長の小姓として仕え、信長の乳兄弟・遊び友達として虚(うつ)け無頼な遊びに付き合っていた。

その信長の初期親衛隊の厳選された主力が、馬廻衆・黒母衣衆(くろほろしゅう)と小姓衆・赤母衣衆(あかほろしゅう)である。

織田信長に近侍する家臣組織にはこの本陣要員の馬廻衆と日頃信長に近従して身の回りの世話から政務の取次ぎなどを勤める小姓衆の二つが在る。

本陣要員の馬廻衆からさらに厳選された十名ほどが、黒母衣衆(くろほろしゅう)として抜擢される。

小姓衆の内から選抜された赤母衣衆(あかほろしゅう)も同じく十名ほどで構成され、この黒母衣衆(くろほろしゅう)と赤母衣衆(あかほろしゅう)が、信長の側近中の側近と言う事になる。

信長初期親衛隊の本格デビューは桶狭間の合戦だった。

今川義元は二万五千の大軍を率いていたが、全軍が義元の周りを囲って居る訳ではない。

信長は、最初から重装備の譜代家臣よりも、戦国時代に始まった軽装備・新形式の甲冑「当世具足」の機動力重視の黒母衣衆(くろほろしゅう)と赤母衣衆(あかほろしゅう)とその手勢・二百余りだけで今川義元の首を狙った。

その信長に付き従う旗本親衛隊(馬廻組)の顔ぶれは、滝川一益前田利家、服部小平太、毛利新助ら、信長が織田家の当主に成った十九歳の時から共に遊び学んで育てた面々である。

義元は信長の馬廻の一人、服部小平太に斬り掛かられるものの、逆に返り討ちに斬って服部を負傷させた。

しかし、服部との格闘の間に迫って来た新手の毛利新助と乱戦になり、義元はついに毛利新助によって討ち取られてしまう。

ただし厳密には、毛利新助は小姓衆では在ったが軽輩で、今川義元を討ち取った功により、後に黒母衣衆のひとりとなっている。

上洛命令を拒む朝倉義景に対して信長が朝倉征伐を起こして浅井長政の裏切りに合い、寸手(すんで)の所で挟まれる危機に在った「金ヶ崎の退き口」でも黒母衣衆(くろほろしゅう)と赤母衣衆(あかほろしゅう)は活躍している。

黒母衣衆(くろほろしゅう)の一員・佐々成政(さっさなりまさ)は撤退戦となった金ヶ崎の退き口で殿(しんがり/主君撤退の時間を稼ぐ防衛戦)を勤めた木下秀吉(羽柴秀吉)の殿(しんがり)軍に馬廻衆を率いて参加し、秀吉を救援し活躍した。

その越前朝倉氏・朝倉義景と北近江浅井氏・浅井長政の連合軍と織田信長、徳川家康連合軍が戦った長篠の戦いでは、佐々成政は同じ黒母衣衆(くろほろしゅう)の野々村正成や赤母衣衆(あかほろしゅう)の前田利家・福富秀勝・塙直政らと共に鉄砲隊を率いて戦っている。

こうした黒母衣衆(くろほろしゅう)・赤母衣衆(あかほろしゅう)の中から、後の大名が多く排出され、その一番が前田利家だった。

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by mmcjiyodan | 2011-08-12 11:40  

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