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創られた歴史のミステリー

まだ混同している方が多いのだが、古事記日本書紀は編纂目的に「統治に利用する」と言う意図があり、実質現代では正史ではなくあくまでも参考書の位置付けである。

近頃ネット上に氾濫している由々しい事だが、歴史解説で重要な事は、所謂(いわゆる)側坐核(そくざかく/脳部位)に起因する「虚の伝承」を基にして、平気で正史とする事は止めて貰いたい。

例えばそれは、「誓約(うけい)解釈」をあくまでも文化としての歴史である神話のままに「アマテラスとスサノオが行った誓約(占い)の事」などと解説する事である。

益してや誓約(うけい)について、姉・アマテラス(天照大神)が、「弟・スサノオ(須佐之男/須佐王)に邪心があるかどうかを占う」なんて解釈は、まったく真実の確信に触れては居ない。

何故なら、スサノオ(須佐之男/須佐王)とアマテラスオオミカミ(天照大神)は姉弟神ではなく、別の出自の渡来部族だからである。

だからこそ両部族は天岩戸の前で宴を開き、誓約(うけい)の性交儀式によって身内に成り、両部族は血流的に混血して一体化する知恵を働かせた。

加羅族(からぞく/農耕山岳民族)系・「アマテラスオオミカミ(天照大神)」は邪馬台国卑弥呼であり、呉族(ごぞく/海洋民族)系・「スサノウ(須佐王)」とは本来異部族なのだが、誓約(うけい)で大和合=「大和国(やまとのくに)」した証である。

それらは、混在している「現実の歴史」と「文化としての歴史」の二つの内、文化として観念を基とする幻想を「正史」として後世に「虚の伝承」を伝える事である。

そもそも古事記・日本書紀には、天皇の統治に正当性を補完する為にカリスマ(超人)性を積み重ねる目的があり、同時に征服氏族が原住縄文人・蝦夷族の土地を取り挙げ隷属化した事への後ろめたさを消す目的が在って、征服氏族は神々に成った。

実は天武大王(てんむおおきみ/第四十代天皇)が「天皇」を名乗る以前は、皇統が途絶えた可能性は無数に在る。

しかし明治維新後に隆盛した「皇国史観(こうこくしかん)」に拠って「万世一系」が強調され、それらの研究はタブー視され、結果古事記・日本書紀の記述がそのまま日本史解釈の根幹を為す考え方で一般的に広まり定着している。

現在のネット上でも、「虚」である「文化としての歴史」が歴史関係の解説として並んでいるが、その疑惑を充分承知していて無責任にも、「古事記・日本書紀に拠ると」などと逃げを打って記述している。

これをやってしまうと、虚像である聖徳太子も実在する事に成って「太子がああ言った、こう遣った」として、後の人の知恵を「太子の教え」と言い出す。

古事記・日本書紀もそんな所だが、もっと酷いのは「他国の文書卑弥呼の名前の記載が在るから」と言って、実はまだ国内では誰とも特定もされていない卑弥呼を、無条件で「卑弥呼の墓が見つかった」と言って良いのだろうか?

「虚(きょ/感性)」の現象の原因として、江戸期に始まった娯楽、草紙(小説)、芝居の舞台本(脚本)のヒーローは、本人及び身内の自画自賛や後世の人々がかなり膨らましてデッチ挙げた物が多い。

読み物や映像は、創作エピソードが豊富なほど感性を満足させ、「娯楽読み物」としては読み応えが、「娯楽映像」としては鑑応えがある。

しかしこうした創作エピソードの多い読み物や映像は、歴史の混乱を避ける為に、読者や映像鑑賞者が「歴史」ではなく「時代物」として分けて受け取るべきである。

テレビ局の安易な番組製作も困ったもので、まだ真贋を論争中の事項にも「文化としての歴史」を定説として「歴史クイズ番組」を成立させ、また「歴史検証番組」にも「文化としての歴史」をそのままに放映している。

そしてそれらが繰り返し演じられると、あたかもそれが今を生きる一部の人々に「事実としての正史」と誤解されて現代に到っている。

有名な脚色・創作例は、牛若丸(源義経)と弁慶の「京の五条橋に於ける出会い」の下り、日吉丸(豊臣秀吉)と蜂須賀小六(正勝)の「矢作橋の出会い」、宮本武蔵と岩流(佐々木小次郎)の「舟島(巌流島)の決闘の詳細」などが挙げられる。

此処まで行くと極端だが、もっと酷い創り話しに、「水戸黄門漫遊記」や「暴れん坊将軍」などの時代劇が在る。

勿論ここまで極端だと信じる者は少なく、完全に娯楽作と解されてはいる。

また、歴史には連続性が在るにも拘わらず、その検証をせずして突如その時代だけを切り取って勝手に解説するのも間違いの基と心得て欲しい。

つまり古事記・日本書紀の天孫降臨伝説以前から、日本列島には原住縄文人が居たのである。

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by mmcjiyodan | 2012-03-13 18:39  

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