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大杉栄(おおすぎさかえ)

大杉栄(おおすぎさかえ)は、思想家、作家、社会運動家、アナキストとして活動するも、甘粕事件で殺害される。

栄(さかえ)は家族でも聞き取れない程の重度の吃音障害(言葉が円滑に話せない疾病)に生涯悩まされ続けるハンデを抱えていた。

特に「か行」の発音にさしかかると目を瞬きさせて、「金魚が麸を飲みこむような口つきになった」と言う。


栄(さかえ)は名古屋陸軍地方幼年学校に十四歳で入学、学校内で奔放な生活を送る。

幼年学校に於ける栄(さかえ)の成績は極端なもので、実科では首席、学科では次席にもかかわらず、操行は最下位だった。

生徒を指導する下士官どもの「追窮が残酷」になり修学旅行での下級生への性的な戯れに対して禁足三十日の処分を受ける。

禁足処分を受けた栄(さかえ)はそれまでの生活を反省するが、「尊敬も親愛も感じない上官への服従を盲従」と思うようになる。

憂鬱な気分が続き、軍医から「脳神経症」と診断され、休暇で幼年学校の外に出ると快活な少年になれたが学校に戻ると凶暴な気分になったと言う。

千九百一年(明治三十四年)、栄(さかえ)は同期生との喧嘩で相手にナイフで刺される騒動を起こし学校に発覚、退学処分を受ける。


翌千九百二年(明治三十五年)、栄(さかえ)は語学を学ぶ為東京外国語学校(現東京外国語大学)仏文科に入学する。

その下宿先で、栄(さかえ)は谷中村の鉱毒事件への追及運動に触れ「万朝報」を購読し軍隊外の社会を知り、幸徳秋水、堺利彦たちの非戦論に共鳴する。

栄(さかえ)は幸徳秋水、堺利彦らの平民社の結成を知り、講演会を聞いたり「社会主義研究会」に出席する。

電車値上反対の市民大会に参加し、兇徒聚集罪により逮捕されたり、屋上演説事件で治安警察法違反となり逮捕され、錦輝館に於ける山口孤剣の出獄歓迎会で赤旗を振り回し警官隊と乱闘で逮捕される。

それまでの量刑も含み、栄(さかえ)は二年半近くの刑務所生活を送るも、 獄中でさらに語学を学びアナキズムの本も多読した。


千九百十年(明治四十三年)九月、幸徳秋水らの「大逆事件」が起こり、獄中の栄(さかえ)も取調べを受けるが検挙は免れ、十一月に出所する。

翌千九百十一年(明治四十四年)九月、幸徳たちは処刑され社会主義運動は一時的に後退する。

千九百十六年(大正五年)には、妻・堀保子との結婚も続く状況下で伊藤野枝(いとうのえ)との恋愛も始まり、以前からの恋愛相手で在った神近市子から刺されるという「日陰茶屋事件」が発生、栄(さかえ)は同志から孤立する。

栄(さかえ)は野枝(のえ)との共同生活を始めるが、常に生活資金にも事欠いていた。
その一方で栄(さかえ)は、社会運動・労働運動の指導者・アナキスト(無政府主義)として官憲にマークされる。

千九百二十三年(大正十二年)九月十六日、栄(さかえ)は柏木の自宅近くから伊藤野枝、甥の橘宗一と共に憲兵に連行され殺害される。

殺害の実行容疑者として憲兵大尉の甘粕正彦(あまかすまさひこ)と彼の部下が軍法会議にかけられ、甘粕と森は有罪判決となるも極刑は免れて居る。


有名人のスキャンダルとして大衆の好奇の材料ともなった思想家・大杉栄と女性開放活動家・伊藤野枝(いとうのえ)を取り巻く動きについては、逐一新聞などで報道される加熱振りだった。

伊藤野枝は不倫を堂々と行い、結婚制度を否定する論文を書き、戸籍上の夫である辻潤(つじじゅん/翻訳家、思想家)を捨てて大杉栄の妻・堀保子(ほりやすこ/俳人)、愛人・神近市子(かみちかいちこ)と四角関係を演じた。

東京日日新聞の記者・神近市子(かみちかいちこ)は、愛人だった大杉栄が、新しい愛人・伊藤野枝(いとうのえ)に心を移した事から、神奈川県三浦郡葉山村(現在の葉山町)の日蔭茶屋で大杉を刺傷させる「日蔭茶屋事件」を起こし二年間服役する。

市子(いちこ)は出獄後文筆活動を始め、女性運動に参加して衆議院議員総選挙に当選、左派社会党議員として当選六回を重ねる政治家として戦後も活躍した。


野枝(のえ)は人工妊娠中絶(堕胎)、売買春(廃娼)、貞操など、今日でも問題となっている課題に取り組み、多くの評論、そして小説や翻訳を発表している。

同時代の人々に野枝(のえ)は、自らを主張するその自由獲得への情熱に対する憧れや賛美がドラマチックな感動を与えた。

知識人に於いては個人主義・理想主義が強く意識され、自由恋愛の流行による事件も数少なくはなく、新時代への飛躍に心躍らせながらも、同時に社会不安にも脅(おびや)かされる時代だった。

詳しくは小論・【大正ロマンに観る好景気と風俗規範】を参照下さい。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

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by mmcjiyodan | 2013-09-04 13:42 | Comments(0)  

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