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御厨(みくりや)・御園(みその)

御厨(みくり・みくりや)とは、「御厨(神の台所)」の意で、神饌(しんせん/供物)を調進する場所の事で、本来は屋舎(おくしゃ/建物)を意味する。

また御厨(みくり・みくりや)は、神饌(しんせん/供物)を調進する為の領地(神領)も意味する。

本来は神饌(しんせん=供物)を用意するための屋舎を意味し、御園(みその・みそのう)ともいう。

つまり「御厨(みくりや)」は、皇室伊勢神宮下鴨神社の領地を意味した。

例えば神社は、神田、神郡、神戸といった領地を持っていたが、平安時代中期以降荘園が増え神社も権禰宜(ごんねぎ)による自墾地系の地域の特産品を納めるかわりに神税を免除される御厨・御園という名の荘園を持つようになる。

その後、権禰宜(ごんねぎ)の仲介で「土着貴族系の領主=武士」からの寄進地系の御厨・御園が増加していった。

中世日本に於いては、皇室や伊勢神宮など、有力な神社が荘園(神領)=御厨(みくりや)を持ち、後に地名及び名字として残った。

中世日本においては、皇室や伊勢神宮、賀茂神社など、有力な神社が荘園(神領)を持ち、後に地名及び名字として残った。

その御厨(みくり・みくりや)・御園(みその・みそのう)が本格的武家社会が成立する鎌倉時代には、荘園(神領)が全国各地に五百箇余ヵ所を数えるほどになっていた。

また中世では、たびたび武士団によって御厨(みくり・みくりや)・御園(みその・みそのう)が略奪・押領される(武士の領地化)といった事が起こっている。

特に相馬御厨(そうまみくりや)や大庭御厨(おおばみくりや)は源義朝(みなもとよしとも)の濫行(らんぎょう)で歴史上有名である。


相馬御厨(そうまみくりや)は伊勢神宮の荘園だった。

相馬御厨(そうまみくりや)は、現在の茨城県取手市、守谷市、千葉県柏市、流山市、我孫子市のあたりにあった中世の寄進型荘園の一つである。

千葉常重によって成立した相馬御厨(そうまみくりや)は伊勢神宮に寄進されたが、藤原親通や源義朝(みなもとよしとも)から脅かされる。

千葉常胤(ちばつねたね)はこれを回復し再度伊勢神宮に寄進するが、平家政権になると佐竹義宗に奪い取られてしまう。

これを奪回する為に、千葉常胤(ちばつねたね)は源頼朝(みなもとよりとも)を利用した。

相馬御厨(そうまみくりや)をめぐる攻防が、治承・寿永の乱の原動力の一つとなった。

相馬御厨(そうまみくりや)は在庁官人が在地領主に変貌していく過程で、国司や目代と激しく対立した在地領主層が脆弱な地位を守る為に寄進を行った。

寄進による保護にも限界があり、鎌倉幕府の成立へとつながって行った事の例示としてよく取り上げられる。


大庭御厨(おおばみくりや)は、相模国高座郡の南部(現在の茅ヶ崎市、藤沢市)に在った寄進型荘園の一つである。

その大庭御厨(おおばみくりや)は、鎌倉時代末期には十三の郷が存在した相模国最大の御厨(伊勢神宮領)である。

大庭御厨(おおばみくりや)は鎌倉景政(かまくらかげまさ/平景政・たいらのかげまさ)によって開発された。

伊勢神宮に寄進されたが、源義朝(みなもとよしとも)の乱入を防ぐ事は出来なかった。

千百四十四年(天養元年)、源義朝(みなもとよしとも)の大庭御厨濫行事件が起きる。

源義朝(みなもとよしとも)は相模国衙の田所目代(税務の代官)源頼清と組んで、「大庭御厨内の鵠沼(くげぬま)郷は鎌倉郡に属する公領である」と主張する。

源義朝(みなもとよしとも)は在庁官人と伴に大庭御厨(おおばみくりや)に侵攻して濫妨(暴行・略奪)を行い、神人に重傷を負わせる。

大庭御厨(おおばみくりや)の荘園主・伊勢神宮は直ちに朝廷政府に、源義朝(みなもとよしとも)の濫行を提訴する。

しかし、その最中に源義朝(みなもとよしとも)は、源頼清や在庁官人の三浦義継・中村宗平など「千余騎」によって大庭御厨(おおばみくりや)に再侵攻する。

源義朝(みなもとよしとも)は、大庭御厨(おおばみくりや)の停廃を宣言して大規模な収奪を行った。

相模大庭御厨一帯を支配した大庭氏(鎌倉景政流平氏)は、保元の乱以降、源氏の配下となった。

大庭氏は和田合戦で滅亡したが、大庭御厨(おおばみくりや)は三浦氏北条得宗家の所領として存続した。

こうした寄進型荘園の歴史経緯から、市町村名に限らず大字や小字として日本各地に「御厨(みくりや/荘園)」の地名が残っている。

例えば、静岡県御殿場市の旧地名は駿東郡御厨町であり、静岡県磐田市の旧地名は磐田郡南御厨村である。

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by mmcjiyodan | 2013-10-14 21:48  

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