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仲居(なかい)

「仲居(なかい」)は読んで字の如しで女性奉公人の格としては中間に位置し、屋敷内の下働き雑務一般にあたる職責にある。

現在に於ける「仲居(なかい)」は、旅館や料亭などで給仕や接待をする女性の職業を指すが、古くは公家や門跡の邸宅で主人の側で奉仕する人の控室を「中居(なかい)」と称した事が語源である。

将軍家・大名家などの奥向きの料理の配膳室や家政・経理部門に仕える女性の詰める場所を、字が違う「中居(なかい)」と称し、その「奥女中」と「下女・端女(はしため)」の中間の奉公人の意味でも使われた。

上に「御女中(おじょちゅう)」があり、中間に「仲居(なかい)」、その下に「端女(お端・はしため)」や「下女(げじょ)」と言う階級があり、これは字のごとく下働きだが、「御女中(おじょちゅう)」の仕事は貴人(主人)の身の回りに限られている。

つまり「女中(じょちゅう)」は、女性奉公人としては少し上の階級で、貴人(主人)の身近で気持ち良い生活を提供する務めが主であり、「御伽(おとぎ)」と称するお手が付いても不思議では無い立場である。

本来の御伽話(おとぎばな)しは、貴人(主人)を寝かしつける為に寝屋の床内(とこうち)で話す寝物語である。

そこから派生して、貴人(主人)を寝かしつける為の「話し相手」を務める事だが、「性的なお慰め」を務める事も「御伽(おとぎ)」と称される。

貴人(主人)の「話し相手」や「寝物語」を含む「御伽(おとぎ)」は「毎夜のお務め」であるから、「御女中」の仕事で在って「御正室」の役目では無い。


また武家社会と同様に、商家などでも奥女中には特別のお務めのしきたりが存在したから、「奥女中」と「下女・端女(はしため)」の中間の奉公人を「仲居(なかい)」と区別して呼んだ。

現在に於いては、旅館の女性従業員を「女中(じょちゅう)」と呼ぶのは用法の間違いで、旅館の女性従業員は「御伽(おとぎ)職務」は無いから「仲居(なかい)」である。

そうなると、旅館に於ける「女中と仲居の錯誤」は、「広域倭の国論」や「百姓解釈」と同様に時代の経過と伴に混同した錯誤かも知れない。

つまり、温泉旅館で「枕営業で稼ぐ女性従業員」は、職能から分別すればあきらかに「仲居(なかい)」ではなく「雑女娼婦」である。

詳しくは・小論【御女中(おじょちゅう)と腰元(こしもと)の違い】を参照下さい。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

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by mmcjiyodan | 2014-06-04 23:34  

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