森(成利)欄丸(もりらんまる)

森(成利)欄丸は稚児小姓上がりの織田信長側近である。

稚児小姓とは閨(ねや)で夜伽の相手(男色)をした小姓を言い、森欄丸の前は若い頃の前田利家が稚児小姓を務めていた。

森成利(もりなりとし/蘭丸)の森氏(もりうじ)は、清和源氏の一家系・河内源氏の棟梁である、八幡太郎・源義家の七男(六男説あり)・源義隆(みなもとのよしたか)を祖とする。

成利(なりとし/蘭丸)の父は、美濃・斉藤家の家臣から織田家の客将・家臣に納まり、近江・坂本城で討ち死にした知将・森可成(もりよしなり)である。

森可成(もりよしなり)の三男・成利(なりとし/蘭丸)は、織田信長の稚児小姓から岩村城五万石の大名にまで取り立てられ、本能寺で最後まで信長の傍近くにいた。

信長の男色寵愛を受け、織田・家臣団の第二世代トップの位置に居た人物が成利(なりとし/蘭丸)だった。

兄に猛将と謳われた森長可(もりながよし)が居る。

兄・森長可(もりながよし)も戦国時代から安土桃山時代の初期にか掛けて活躍し、一時は二十万石の太守に成った人物である。

森成利(もりなりとし/蘭丸)は、十二歳で織田信長の小姓(近江国に五百石の知行)として召抱えられ、「本能寺の変」当時はまだ十六歳だった。

戦国期は、親兄弟息子に到るまで油断がならない。

増してや部下などは、下克上を虎視眈々と伺っているやも知れない。

大方が自分もそうして来たから、それが世の習いだった。

それ故この時代、大名は稚児小姓を愛でる習慣があったが、それは、硬い絆の元に安心できる部下の確保育成を目的とする一面を持っていた。

稚児小姓になる方も、主君の信頼を獲得し出世が保障される所から、世間でもこの関係を、「さして異様なもの」とは扱われていなかった。

余談だが、こうした形態の信頼構築の心理は、何も戦国時代の主従関係における特殊な事例ではない。

もっとも同性同士はめずらしいだろうが、異性同士なら、実は現代の上司と部下の場合でも「職場不倫」と言う形で存在し、珍しいものではない。

けして職場不倫をお薦めしたり肯定する訳ではなく、ただの心理分析であるが、職場不倫には、互いに不安を打ち消す手段として、奇妙な「刹那的(せつなてき)安心心理」が介在している。

つまり、古代から脈々と流れている性交を交えて信頼関係を築く「誓約(うけい)心理」が、変形して具現化されたものである。

腹心の部下を「懐刀(ふところかたな)」と言う。

職場不倫にも、ある種そうした要求が働く。

基本的に「誓約(うけい)心理」が働いて関係が形成されるものであるから、ドロドロの関係になる危険を孕むにも関わらず、発生する不倫には、ただの肉体的快楽目的だけではなく、相応の安心の合意に拠る人間的心理が働く。

弱肉強食のコンクリートジャングルの職場社会にあって、上司が本当に気を赦せ信頼できる異性は肉体(性交)を赦す相手である。

部下の方も、上司が愛人なら、職場として安心できる環境が整う事になる。

そうした人間心理「誓約(うけい)」は、何千年も変わらない事を意味している。

困った事に、こうした安心心理の介在を「愛」と誤解するからドロドロの仲になる。

覚めてみると、「愛なんかじゃない」と言う事に気付くのが一般的である。

関連小論・【日本の、秘められた武門の絆・稚児小姓】を参照下さい。

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by mmcjiyodan | 2008-04-27 16:45 | Comments(0)  

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