古典芸能のルーツ

日本の芸能の最も原始的なものは、神事である神楽(神座・かみくら)舞から始まっている。

例えて言うならば、米国がハリウッド映画を保護し発展させたのは、国家的な産業にして外貨を稼ぐと同時に映画を通じて米国的自由主義を広く世界に発信する国策が在ったからである。

実は、日本に於ける神楽舞いも「天孫降臨伝説をあまねく日本中の民に知らしめる国策が在った」と言って過言ではない。

つまり神楽舞いを演ずる事は、今風に言えばマスコミニケーションと称する「巧みな広報媒体」なのである。

この神楽舞いと題材の天の岩戸伝説、日本全国に散らばって伝承されているが基は誰かが教えたに違いないのだが・・・「何に!、古くから存在したから多分土地の古老が始めた。」ですと?

そんな事は無いだろう、列島の隅々で共通点が多く分布しているのだから、これは物語と舞いを組織的に指導して歩いた者が居たに違いないのである。

全てに通じるが、存在を「昔から在ったから」と言って、「何故?」を忘れてただ存在のままにして置いてはならない。

真相は帝の意を汲む修験道師修験山伏)が、記紀神話を各地に根着かせたのである。

神楽舞いから枝分かれしたのが白拍子舞い(男舞い)で、その発展形が阿国歌舞伎(ややこ舞い)同朋衆(どうぼうしゅう)能舞いであれば、日本の芸能のルーツは間違いなく修験道師(修験山伏)の広報活動がその基点に在ったのではないだろうか?

これは現代にも通じる事だが、衆を操るに必要な才は何にも益して劇的な演技力である。
つまり演技力のない政治家は衆を味方には出来ない。

その辺りを承知しているからこそ氏族(支配階層)は、演技力を要するこの国の神主や仏教座主を独占し、また武芸百般の内で芸能の技量も求められた。

その役割を歴史の場面場面で意味を持って登場する影人が、芸能を諜報活動の武器にしている国家情報機関の仕事の一部として世論操作の目的を持ち、官製メディアの役割を担ったのが初期修験道師組織で、神の威光をでっち上げる為の神事としての神楽舞(神話伝説物語)に始まり、中央貴族の白拍子舞や地方の田楽舞などに分化して行く。

その後の時代の変遷で国家情報機関の立場を離れ、宗教者は勿論、芸能者や武芸者、農・工業従事者などに細分化した表の顔を持つように成る。

それにしても、室町幕府最盛期の第三代将軍・足利義満の頃に発達した文化芸術・茶道、華道、芸能の家系には、影に諜報員家系の疑いが付き纏(まと)って居る。

当然の事であるが、室町政権に諜報機関が在っても不思議は無い。

それが、文化芸術を隠れ蓑にした同朋衆が、影で負っていた役目であれば、足利義満が力を入れた室町文化、また別の側面が見えて来ないとも限らない。

何しろ、最も平和的に受け取られるのが文化芸術で、何処の屋敷も無警戒に信用される利点があるのだ。

更に時代が下がると、娯楽性が益して大衆芸能化した阿国歌舞伎や高級芸能の能楽舞と分化が進み、やがて男歌舞伎や芝居、猿楽能と成って脚色された英雄が活躍する大衆娯楽に成って行くのだが、少なくとも江戸初期位までは、この芸能部分を表の顔とした隠れ武芸者が居たのである。

伊賀・甲賀雑賀と言った修験系郷士から、重要な目的を持って派生したのが古典芸能の一種・能(のう)舞である。

その能(のう)舞の家系は観阿弥の長兄・宝生大夫の末裔を称し、伊賀・服部氏族の上嶋元成の三男が猿楽(能)者の観阿弥と言う所から、「伊賀・服部の血筋」と言う訳である。

能舞(のうまい)】に続く。

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by mmcjiyodan | 2008-04-29 11:52 | Comments(0)  

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