懐良(かねなが)親王

千三百二十九年(元徳元年)藤原為道の娘を母として懐良(かねなが)親王(後醍醐天皇の皇子)が誕生する。

懐良(かねなが)親王は、南北朝並立時代、南朝の征西大将軍であった事から征西将軍宮と呼ばれた。

千三百三十六年(北暦・延元元年/南暦・建武三年)、七歳の懐良(かねなが)親王は幼いながらも後醍醐帝の命により征西大将軍に任命され、五条頼元親子ほか藤原孝範ら十二名の従者に補佐されて九州を目指して吉野を出立する。

千三百三十九年(北暦・延元四年/南暦・建武六年)征西将軍宮・懐良(かねなが)親王一行は海賊衆である熊野水軍の援助を得て伊予忽那島に到着、四国の忽那島で三年間、宇都宮貞泰の処に滞在している。

千三百四十二年、懐良(かねなが)親王一行は伊予忽那島を出発、日向を経て薩摩山川津に到着宇都宮貞泰と共に九州へ上陸し薩摩の谷山隆信の谷山城、肥後・菊池武光の菊池城を経て、菊池武時の子・菊池武光や阿蘇惟直(あそうこれなお)に擁立されて阿蘇惟直の肥後・隈府城に入り、征西府を開いて九州経略(九州平定)を開始する。

懐良(かねなが)親王を奉じる菊池氏や阿蘇氏は多々良浜の戦いで足利尊氏に敗れた九州の南朝勢力であるが、九州には尊氏が東上の際に鎮西総大将として博多に残した一色範氏・仁木義長らの足利勢力がいた。

さらにこの時、観応の擾乱と呼ばれる足利家の内紛で、叔父で養父である足利直義に味方し、父・尊氏に反旗を掲げた尊氏の子・足利直冬が九州へ入り肥後川尻で少弐頼尚に擁立されると、九州は室町幕府方、足利直冬方、南朝(懐良)方と三勢力の鼎立の戦乱状態となる。

懐良(かねなが)親王が征西府を開いて五年、千三百五十二年(正平七年/文和元年)懐良親王を擁立した菊池氏は、針摺原の戦い(福岡県太宰府市)で勝利する。

懐良(かねなが)親王は豊後国攻略に日田へ向けて出発し転戦、玖珠 由布 狭間を経て豊後 府中へ進み、速見郡 大神から豊前国宇佐城井へ入ると、大友氏時宇佐大宮司らは親王軍に降参する。

筑前国植木を通り博多に進攻した懐良(かねなが)親王は、宇佐神宮に白鞘入剣(国重要文化財)を奉納している。

降参した大友氏時の目付役として藤原孝範を豊前大家郷(大江郷 現中津市)郷司に補任し丸山城に居いたが、大友氏時は間もなく離反し高崎城に篭城する事態となる。

懐良(かねなが)親王が九州に上陸して早十七年後の千三百五十九年(正平十四年/延文四年)筑後川の戦い(大保原の戦い、現福岡県小郡市)が起こり、菊池武光、赤星武貫、宇都宮貞久、草野永幸ら南朝方が、直冬方から幕府に復帰した少弐頼尚傘下の北朝方を破り、南朝方が九州の拠点である大宰府を制圧し、以後十余年間、一時「九州南朝」と言われ、足利幕府も手を焼く勢力を誇って九州を統治している。

しかし、千三百七十五年に室町幕府管領の細川頼之が九州探題として派遣した今川貞世(いまがわさだよ/了俊)により大宰府を追われる。

今川貞世(いまがわさだよ/了俊)の罷免後に九州探題に渋川満頼が派遣されると、菊池武朝は少弐氏と同盟して渋川探題を奉じた大内氏と対立するが、後の戦国時代に大友氏により菊池氏の主力は滅ぼされ、幾つかの枝が九州各地に残る事と成った。

この菊池氏の末裔が、、明治維新の英雄として登場するのは、まだ随分先の事である。

また懐良(かねなが)親王は、幼くして九州制圧に任じたが、九州に十九年間在って、その内十一年間も九州を制圧、安定した出先行政府まで置いている。

二十歳代半ばに達したその皇子が、我が子を為さないとは考え難い。

その懐良(かねなが)親王の忘れ形見と伝えられる継子が、当時周防に本拠地を置く大内氏を頼った「良光(ながみつ)親王」で、この親王の末裔が明治維新に関わってくるのである。

参考リスト【正中(しょうちゅう)の変から室町幕府成立までの主な登場人物と主な出来事】<=クリックがお薦めです。

詳しくは、関連小論・【真言密教立川流の解説】に参照下さい。
詳しくは、関連小説・【異聞・隠された明治維新】を参照下さい。

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by mmcjiyodan | 2008-04-29 19:18 | Comments(0)  

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