人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大海人皇子(おおあまのみこ)の疑惑

大海人皇子(おおあまのみこ)は、甥の弘文天皇(こうぶんてんのう/第三十九代追認天皇)を殺して、帝位に付き、天武天皇(てんむてんのう/第四十代)を名乗った事に成るが、この交代劇、様々な異説がある。

最たるものは、ここで「皇統が一旦途絶えた」とする説である。

その説によると、皇統外の大海人皇子/おおあまのみこ(天武天皇/第四十代)が「革命」に成功し、皇統の系図を書き換えて、天智大王(てんちおおきみ/第三十八代天皇)の弟に納まり「第四十代天皇を継いだ」と言う「疑惑」である。

この異説を裏付けるに充分とも思える根拠を挙げておく。

まず、天武天皇(てんむてんのう/第四十代)の出生年が、皇子である舎人親王(とねりしんのう)の編纂にも関わらず日本書紀に記載が無い。

他に記載が無いのは崇峻大王(すしゅんおおきみ/第三十二代天皇)のみであり、これは異例の事である。

そして天智大王、天武天皇、弘文天皇の兄弟、叔父甥の年齢の絡みが一致せず、計算によって天武天皇は、天智大王(てんちおおきみ/第三十八代天皇)の四歳年上の「弟」に成るそうだ。

この年上の「弟」、幼い頃の事がどこにも書いて無い大海人皇子(おおあまのみこ)が、突然もろもろの文献に登場する事にも疑問を投げかけられている。

また、どこかで皇統を表す慣例になっている皇子としての皇統の名に、「大海人(おおあま)」の使用例が無いのである。

そして極端な事だが、天智大王(てんちおおきみ/第三十八代天皇)とその皇弟・大海人皇子(おおあまのみこ、後の天武天皇)は兄弟にも関わらず天武天皇が皇子時代に天智大王(てんちおおきみ/第三十八代天皇)の娘を、四人までも妃として娶っているのである。

近親婚の多い朝廷にあって、兄の娘を娶る事も一人くらいは考えられるが、それでも大概はどちらか一方が違う親の、異父または異母兄弟である。

同じ父、同じ母を持つ「兄の娘四人」は当時としてもこれは異常で、まるで血縁の薄い有力豪族を抑える為の「政略婚」を連想させる様である。

そして、額田王(ぬかだのおおきみ)の存在がある。

額田王(ぬかだのおおきみ)は最初、大海人皇子(おおあまのみこ・天武天皇)の妻で、後に弘文天皇の妃に嫁ぐ事になり子まで為している。

その額田王を、兄の天智天皇が自分の妃に奪っているのだ。

しかし歴史学者によっては、額田王は、天智天皇の元に嫁いでも、大海人皇子との関係も「続いていた」とする者もいる。

額田王については残された文献が少なく「万葉歌人」で有名な他は余り判っていないが、一説には中臣鎌足の妻・鏡王(かがみのおおきみ)の「子であるとか妹であるとか」言われている。

いずれにしても、あらゆる事が兄弟の関わり方ではないのだ。

それとも宮廷内が、ローマ帝国末期の様によほど乱れた「愛欲の世界だった」と言うのか。

こうした不自然な関わりから、当時、ほぼ朝鮮半島統一が成されつつあった(金春秋<キム・チュンチュ>王=武烈王・太宗第二十九代)の弟が、「大海人皇子の正体ではないか」と言うのである。

わが国には、「血統至上主義」の為に封印された歴史の数が多い。

これも、天孫降臨伝説を統治の根拠とした皇統の「血統至上主義」の為に「封印された歴史の一つではなかったのか?」と言う疑問である。

つまり文献から抹殺されてしまったが、白村江の戦に破れた大和朝廷が戦後処理に「新羅の進駐軍派兵、ないしは国土の一部割譲を受け入れていたのではないか」と言う疑惑である。

大海人皇子(おおあまのみこ)の正体は、「新羅の進駐軍の王または、獲得した割譲地の王だ」と言うのである。

大友皇子が弘文大王(こうぶんおおきみ)として即位寸前に大海人皇子(おおあまのみこ・天武(てんむ)天皇)が「壬申(じんしん)の乱」を起こした時、紀伊半島とその周辺に居住する海人族(かいじん/隼人・呉族)達が大海人皇子(おおあまのみこ)に加勢、「勝利を得た」と言われて居るが、それは海人族(かいじん/隼人・呉族)達が大海人皇子(おおあまのみこ)と同族だったからに他ならない。

仮に大海人皇子が、皇統に紛れ込んだ新羅王の弟としても、「日本書紀」編纂の中心人物が天武天皇の息子の舎人(とねり)親王(天武天皇の皇子のなかでは長命を得た人物)である事から、大友皇子の立太子の事実及び大海人皇子(天武天皇)の皇位簒奪の経緯についてはいくらでも有利に脚色出来る為、手放しの信用は出来難い。

そしてここら辺りが怪しいのだが、修験者の開祖「役小角(えんのおずぬ)」が現れたのは、この天武天皇の御世である。

大海人皇子が海人族であれば賀茂葛城族とは同族で、天武天皇の皇位と権威の確立の為に、天武天皇直属の修験秘密警察が誕生した事も充分に考えられるのである。

大海人皇子(おおあまのみこ)】に戻る。

詳しくは、小論【大海人皇子(おおあまのみこ)は何者か?】を参照下さい。

関連記事
大王(おおきみ/天皇)】に飛ぶ。
額田王(ぬかたのおうきみ)】に飛ぶ。
富本銭(ふほんせん)】に飛ぶ。

第一巻の二話】に飛ぶ。
皇統と鵺の影人

【このブログの一覧リンク検索リスト】=>【日本史検索データ

にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ<=このブログのランキング順位確認できます。クリック願います(ランキング参戦中)。

未来狂 冗談の★公式HP(こうしきホームページ)

未来狂冗談のもうひとつの政治評論ブログ「あー頭にくるにほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ<=このブログのランキング順位確認できます。

by mmcjiyodan | 2008-04-29 21:17  

<< 大伴金村(おおとものかなむら) 大海人皇子(おおあまのみこ) >>