犬神(いぬがみ)

我が国では、官憲を称して「犬」と呼ぶ風習があるが、これは本来侮蔑(ぶべつ)した意味ではない。

これを侮蔑と取るのは歴史認識の欠如である。

実はこの「犬」、非常に由緒正しい「犬神」の事である。
犬はつまり狼(おおかみ)である。

大陸とは海峡を隔てた日本列島に在って、ライオン(獅子/しし)やタイガー(虎/とら)、クロコダイル(鰐/わに)の類は生息せず、肉食の猛獣は山犬(狼/オオカミ=大神)だけだった。

つまり山犬(狼/オオカミ=大神)が、列島の民にとっては襲われたら一溜まりも無い最大の恐れ(畏怖)の対象だった。

その恐れ(畏怖)の対象が、同じく山岳地帯を徘徊する陰陽修験道師と重ね合わされて信仰の対象に成った。

狼神社において狼が「神の使いである」と言う思想はどこから来たか、どうも密教・修験道にその源が有る。

かつて、医学の発達していない時代、庶民の間では寺や神社(小祠)と同じくらい修験道師(山伏)は重要な存在だったのである。

そこで、密教・修験道の「山伏」は、その山岳信仰から山岳の主「日本狼」と重ね合わせて「神の使い」と敬(うやま)われて行った。

従って、その根底に流れている密教の「北辰・北斗信仰の使い」が狼信仰で、{狼=オオカミ=大神}と言う訓読みの意味合いもある。

北斗・北辰の天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を修した陰陽修験導師は、信仰上が「犬神の使い」で現実は帝の命を受けた「工作機関の官憲」であるなら、後に江戸期の幕府隠密が「幕府の犬」と呼ばれる事もそれなりに由緒がある。

まぁ、官憲には権力の手先と治安維持の二面性があるから仕方が無いが、「官憲の犬」には「犬神」の畏怖尊敬の意味もあり、つまり歴史を良く知らないと警察・検察を侮蔑(ぶべつ)の意味で「犬」と呼んでしまう間違いを犯す。

この犬神が天の犬(狗・こう)の意味を持って、「天狗(てんぐ)」と言う不思議な存在を生み出した。

つまりこの狗(いぬ=犬)の文字は犬神信仰に通じ、加羅族(からぞく/農耕山岳民族)邪馬台国を平定して「神武朝大和朝廷を起こした」とされる呉族系(ごぞく/海洋民族)狗奴国(くなくに)の国号にも使われている。

◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

詳しくは【天狗修験道と犬神・人身御供伝説】を参照。

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by mmcjiyodan | 2008-04-30 00:51 | Comments(0)  

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