バブル崩壊

バブル崩壊は昭和六十一年(1985年)のプラザ合意が遠因である。

名目はG5諸国(日・米・独・仏・英)の各自国が為替レートを調整する政策協調だが、実質は日米の政策合意である。

ドル高に悩んでいた米国の意図は、日本への借金を大幅に減らす事にあり、プラザ合意により一ドル二百四十円前後だった為替レートが一ドル百五十円台になり、数字のマジックみたいなものだが、日本円換算にした時の借金額が、三分の一ほど煙と消えた。

また、この円高為替レートは、米国への日本の輸出は不利(売り難い)と成、米国の貿易赤字は減った。

しかし円高は円の価値が上がり、日本が物を買い易くなり、他国に対して一躍金持ちになってしまった。

これにより、金融緩和が実施され、不動産や小売業、住宅への融資を拡大して行った。

当時、銀行は土地を担保に簡単にお金を貸し、それで買った土地が値上がりしてまた担保の枠(担保価値)が増える自転車操業的融資拡大に発展し、金融緩和を背景に拡大した融資は、投機目的の土地の買占め、株の買い上がりに向かい、過剰な投機熱によるバブル景気が形成された。

平成二年(1990年)三月、大蔵省銀行局長 土田正顕(まさあき)氏から通達された「土地関連融資の抑制について」による人為的な急ブレーキが、本来自然に起きるはずの景気後退を不適切に加速させ、危なげな投機ブームは有ったものの、ついには日本の経済の根幹を支えてきた長期信用全体を崩壊させてしまった。

また、日銀による金融引き締めは完全に後手に回った上に、崩壊の最中においても続けられ、経済状況を極度に悪化させた。

八月末には 日銀、公定歩合を年率六%に引き上げ、不動産融資規制が制定された。金融機関から不動産業界への資金流入にストップをかけるもので、土地の買い手が居なくなり、土地の値段が下がり始め、投げ売りが始まり、土地での損は株を売って穴埋めしようと、株を売る人も急増し、株価も下がり、投機ブームはついに終わりを告げバブルは崩壊した。

時間を掛けて沈静化する方法があったのだから、この官僚主導の「稚拙」とも言うべき誤った政策によって「人為的に資産としての土地の価格を下落させた」とする視点から、政策判断のミスが引き起こした「財産権の侵害である」と主張する声もある。

この被害は、個人、私企業に止まらず、地方自治体の財政を著しく悪化させてもいる。

なお、前年昭和六十年に導入された消費税、六十三年のアメリカの株価大暴落「ブラックマンデー」、平成三年の湾岸戦争勃発による石油が高騰、円高、低金利、原油安だったものが、一気に円安、株安、債権安になっ事も「通称・総量規制プラス・アルハー景気に悪影響を及ぼしたバブル崩壊の遠因」と考えられる。

平成四年(1992年)になると、政府がデフレを認めた。

バブル期に投機をした人達の返済不能に拠る自殺が増加し、解雇・リストラが増え、外注によるコスト削減が増えた。

金融機関が土地を担保に、投機をした人達へ簡単にお金を貸して居た為に、大量の不良債権を抱え、金融機関そのものの体質が悪化、存続が問われる事態となる。

不条理な事に、本来のバブル投機に関わり無い企業に、トバッチリに拠る金融機関の「貸し渋り」も出て、それにより、経営が悪化する企業が増えて来た。

やがて大企業はこの苦境を切り抜ける為に、リストラのみならず、下請け企業を見捨てて行った。

失業率が増加し、「失われた十年」と言われる平成の大不況の始まりだった。

借り入れ先が、返済出来なくなってしまった金融機関の貸出金を「不良債権」と言い、不良債権には回収が困難な度合いに応じて正常債権、要管理債権、危険債権、破産更生に分かれて居る。

不良債権処理の方法には、間接償却と直接償却があり、間接償却とは、貸し出した資金のうち、回収できなくなると見込まれる金額を会計帳簿に記入して、明らかにすると言うもので、直接償却とは、会計帳簿から不良債権となった貸し出し額を直接消し去る方法の事を言う。

この不況に改善が見られたのは、徹底した金融機関優遇救済政策と大企業優遇救済政策に拠る格差社会の拡大、痛みを伴い続ける国民生活と引き換えに、平成十七年になってからだ。

ただし、この景気回復の指標は、大企業の改善で出てきた数字で、実情は更に苦境に立たされている個人商店、中小企業は置き去りの話しである。

詳細は【バブル崩壊とその後の不況】に飛ぶ。

第六巻】に飛ぶ。
皇統と鵺の影人

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by mmcjiyodan | 2008-05-02 03:28 | Comments(0)  

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