可愛岳(えのだけ)

そして高千穂(たかちほ)から見て日の昇る東の方向に北川町があり、天孫降臨伝説の可愛岳(えのだけ)がそびえている。

神話の国・日向国(宮崎県)の北東部にある北川町(東臼杵郡)の地に可愛岳(えのだけ)はある。

征服(侵略)部族の王達が天孫降臨伝説で神格化された象徴的な記述が、古事記日本書紀に残った山がこの可愛岳(えのだけ)である。

標高七百二十八メートルの可愛岳(えのだけ)にはニニギノミコト(アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギ)御陵墓伝説があり、古事記に拠ると初代神武天皇の五代前の先祖・天孫ニニギノミコトは高天ヶ原より「筑紫の日向の高千穂のくしふる峰に降りてこられた」と記され、日本書紀にはニニギノミコトが亡くなられたとき「筑紫の日向の可愛(えの)の山陵に葬りまつる」と記されている。

天孫降臨伝説が終焉を迎えたのも実はこの伝説の地だったが、その話はこの物語を最後まで読んでいただければ判る。

つまり可愛岳(えのだけ)は、氏族(征服部族)に拠る日本列島統治の始まりの象徴みたいな山だが、驚(おどろ)く事に氏族(征服部族)終焉の地もこの可愛岳(えのだけ)だったのである。

氏族の終焉は、西郷隆盛率いる明治新政府への最後の氏族の抵抗・「西南戦争」の敗戦である。

その西郷軍が、北川から薩摩に向けて落ち延びたルートが、古代史に名高い、可愛岳(えのだけ)越えの獣道だった。

この可愛岳(えのだけ)だが、神代の時代からの伝説の山である。宮崎県東臼杵郡北川町もまた、北浦町と同じ、高千穂町、北浦町のスサノオの通り道のライン上、つまり高千穂の真東に在る。

北浦町より直線で真西に一里(四キロメートル)ほど高千穂町に近い所に、北川町がある。

実際には山塊が北浦、北川両町の間にあるので、人間達にはそう近くは感じないが、神々にとってはこの山塊は行き来の障害には成らない。

その北川町に、標高七百二十七メートルの可愛岳(えのだけ)がある。

この山が、神話の山なのだ。

まず不思議な事に、高い岩山ならともかく、この高さの土に覆われた山では、けして説明が付かない多くの巨石がこの山にはある。

山頂の鉾岩や三本岩などは、考古学者によると弥生時代に建造された人工的立石で、他にも石組と考えられる多くの巨石が点在している。人間の手が、加わっているとしか考えられないのだ。

可愛岳(えのだけ)は神秘的で、謎の多い山である。

そして記・紀(古事記や日本書紀)の記述に符合しそうな、伝説がある。

古事記によると、神武(じんむ)天皇に始まる皇室の五代前に、高天原から光臨したニニギノ命(みこと)が、「日向の高千穂のくしふる峰に降りた」と記されている。

これをもって、高千穂の天孫降臨とする解釈も多い。

すると、それ以前は神ばかりいて、人はこの世に居なかった事になる。

我輩は、この地に降(光)臨したのが天照大神なら、「判り易い」と思っている。

しかしこの「高千穂のくしふる峰」の記述が、朝鮮半島の加耶(伽耶諸国)の建国神話である「加耶国」の始祖・首露王(スロワン/しゅろおう)が「亀旨峰(クジボン)に天降る話・・・と似ている」との指摘が在る。

つまり、「記紀神話(古事記・日本書紀)」の一部は、朝鮮半島・加耶(伽耶諸国)から持ち込み輸入された伝承を採用し加工して記載した疑いが強いのである。

こうした伝聞借用の疑惑に関しての事例は、古事記・日本書紀には沢山ある。


日本書紀によると、ニニギの命が亡くなられた時、「日向の可愛(えの)の山陵に葬り祭る」と記されている。

学術的証明(確証)までは至らないとの事だが、ニニギノ命の御陵墓伝説は、地元で数百年も続く「御陵墓祭り」と伴に受け継がれて居て、これは「重みの有る伝承」と言える。

そして因果な事に、この天孫族所縁の愛岳(えのだけ)を、最後の氏族軍「西郷敗残軍」が越えた時、「氏と民の時代」が終わった。

同時に、中華皇帝と対等な存在に成る為に多くの国々を支配する天皇(大王/おおきみ)の統一国家としてとして倭の国々時代からの習慣として表記、呼び続けられた地方の国名が県の表記呼称に変わったのである。

西郷隆盛(さいごうたかもり)・城山の最期】に続く。

日本の伝説リスト】に転載文章です。

◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

幕末~明治維新・人名と事変の周辺記事なら【クリックリスト】がお薦めです。

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by mmcjiyodan | 2008-05-20 15:27 | Comments(0)  

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