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寛政の改革と天保の改革

田沼政治」が、行き過ぎた市場原理政策を採って数々の格差現象が生じ、幕府官僚の腐敗に非難が集中した反省から、千七百八十七年~九十三年の老中・松平定信(まつだいらさだのぶ)による「寛政の改革」では、「質素倹約」と朱子学以外は禁止の思想統一である「寛政異学の禁止」を押し進めた大変厳しい改革をした。

所が、この政策で消費経済が落ち込んで大不況を招き、庶民は朱子学の思想だけでは食べて行けず庶民の生活が困窮して大失敗する。

これは長期政策ビジョンが無く、もぐら叩き的な安易な目先政策の感が強く、大いに稚拙さを感じる。

千七百四十一年~四十四年の老中・水野忠邦(みずのただくに)の「天保の改革」では、田沼時代の負の遺産を改善し、行き過ぎた市場原理主義の修正為に「株仲間の解散」や都会に片寄った労働力の強制的な帰農政策(強引な過疎対策)である「人返し令」を行うが、都会に定着した人々には既に帰農すべき故郷の地盤を失っていて不評を買い失敗している。

そして、一旦動き出した市場原理主義を沈静化させる為の「株仲間の解散」についても、危なげな投機ブームは有ったものの、バブル経済時代の大蔵省銀行局長 から通達された「土地関連融資の抑制について」による「総量規制」と同様に、人為的な急ブレーキが本来自然に起きるはずの景気後退を不適切に加速させ、ついには日本の経済の根幹を支えてきた長期信用全体を崩壊させてしまった事と酷似している。

つまり唯一成功した八代将軍・吉宗による「享保の改革」以外の、いずれも庶民に一方的な負担を掛ける改革は結果的に失敗している。

政権維持が唯一の目的だったから、「徴税を強化する策に終始」し、結果的に庶民の力を削いでしまったのだ。

こうした民意を反映させず、政権維持が唯一の目的の醜態を晒しながら政権にしがみ付く様(さま)は、何やら近頃の麻生自民党政権の断末魔の状態のようではないか?

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皇統と鵺の影人

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by mmcjiyodan | 2009-02-08 17:46  

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