占術・その(四)喜凶方位(きっきょうほうい)風水学の一
「方忌み」と「方違え」は、既にほとんど死語になっているが、九星気学や奇門遁甲などではこの「方違え」が行われていた。
ただし、ここで用いられる方位は大将軍、太白神、天一神、金神と言った占星術の「星神に因るもの」となっている。
星神によっては「方位を犯せば七人まで死者が出る」と言われる忌むべき神もいる。
こうした凶方でやってはいけない事に、移転、家屋の修築、嫁取り、井戸掘りなどがある。
「方違え」は方忌みの方角へ行かなければならない時に直接そこへ向かうのではなく、一旦よそへ移動・滞在して目的地が凶方へ成らない様にした後に向かう事を言う。
方違えは短い時間を塞ぐ凶方の場合なら長くて数日程度、数年を塞ぐ凶方には四十五日間があてられた。
鬼門封じ、「鬼門」とは東北の方角(艮)の事で、陰陽道では鬼が出入りする「不吉な方角」として万事に忌み嫌われていた。
昔の人はこの方角に「鬼門除け」と言われる神仏を祀ったり桃の木を植えたりして鬼が家の中へ出入りしない様に心がけていた。
京都御所も鬼門にあたる角の部分は凹んでおり「鬼門封じ」と言われている。
今日でも家の鬼門にあたる方角に対してはトイレや風呂、玄関と言ったものを作る事を忌み嫌う風習が残っている。
鬼門の反対である南西(坤)の方角を「裏鬼門」と呼び、この方角も忌み嫌われているが鬼門ほどではない。
まぁ、現実の問題として、窓の方角で日当たりが悪いとか、日当たり不足で台所が湿っぽい程度の事を心配すれば、「鬼門」などさほど気にする理由はない。
つまり、風水は皇帝とその都を守る為の壮大な呪詛の仕掛けを構築する事に有る。
支配者の住居であるから、守りの地形が必要で、「三方を高い山並みで囲まれ、前方に広い平野と川で守られる所」と言う事に成る。
その奥深い所が、「気」の溜まる「龍穴」である。
風水理論は「気」によって自然界の形はできあがっている。
気が吉ならば必ず秀潤、卓抜、端正であり、凶ならば、形は必ず粗雑、傾斜、破砕と言った姿をとる。
この「気」の流れを整える為に、鬼門を鎮める。
つまり鬼門に祈りの場を造営する。
こうした考え方が、裏御返せば寺社造営の理由や、その建築物に魂を入れる裏付けになって行った。
【占術・その(五)続・喜凶方位(きっきょうほうい)風水学の二】に続く。
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by mmcjiyodan | 2009-04-01 00:59