張り型・張形(はりかた、はりがた)
歴史的に見ると張形(はりかた)は信仰の対象とされ、日本の古代アニミズム(自然精霊信仰)にその源流を見出す事が出来、陽物崇拝で「子孫繁栄」を祈願や豊作祈願などその機能を霊的なものとしてシンボル化したり、または霊的な災い(祟り)による病気を代わりに引き受けてくれるものとして扱われ信仰の対象と成って、現代の日本でも木製或いは金属製の巨大なモノが神社に祭られている神社が多数残っている。
張形(はりかた、はりがた)とは人体の男性外性器の形の性器を擬した物の事を指す。
起源が不明なほど古く、記録に残る日本最古の張形は飛鳥時代に遣唐使が持ち帰った青銅製の物が「大和朝廷への献上品に含まれていた」と云う記述があり、奈良時代に入ると動物の角などで作られた張り形が記録に登場している。
紀元前より張形(はりかた、はりがた)と呼ばれる男性生殖器を模した「器具が存在していた」と見られ、張形は男性が自身の衰えた性機能(勃起力)の代用や性的技巧の補完として女性に用いるなど、勃起機能は男性アイデンティティの根底にある為、類似する物品は世界各地・様々な時代に存在した。
また習俗的なものとして、性交の予備段階または性的通過儀礼の道具として性交経験が無い女性(処女)には処女膜がある為、地域によっては処女が初めて性交する際に処女膜が裂けて出血する事を避ける為に、予め張形を性器に挿入し出血させ、実際の性交時には出血しないようにしていた性交の予備段階または性的通過儀礼の「道具として用いる」とされる。
江戸期に入ると木や陶器製の張り形が販売され一般にも使われ始め、女性が性的な欲求不満を慰める道具として用いられ、江戸期に「大奥で使われていた」とされる鼈甲製(きっこうせい/亀の甲羅)の張形は、湯で柔らかくして綿を詰めて性的な道具として実用に供され、性交機会を奪われた大奥では女性自身が「求めて使用していた」と言われる。
一方で江戸期には陰間もしくは衆道と言う男色の性文化が存在し、キリスト教的文化圏と違って肛門性愛に対するタブーが存在しなかった為、張形は女性用だけでなく男性が自分の肛門に用いる事もあったほど性におおらかな日本の性習俗文化に密着していた。
それほど一般的性習俗だった張り形だが、明治期に入ると国際化の為に西欧の文化に合わせる事が急務となり、近代化を理由に取り締まり対象となり、多くの性具が没収され処分されたのだが、売春そのものは禁止されていなかったた為、性風俗店での使用を前提とした性具は幾度も取り締まられながらも生き残って行った。
現代の性具としては、千九百四十八年(昭和ん二十三年)の薬事法改正から、正式な市販品は厚生大臣の認可が必要となった為、認可されていない性具は販売が不可能となった。
そこで業者は張形に顔を彫り込んで「こけし」もしくは「人形」として薬事法を避けて販売を行なうようになった為、日本の性具は人、もしくは動物の顔が造形されるようになった。
その為、形状の似ている「こけし」という名称が使用され、また電動式のものは「マッサージ器」もしくは「可動人形」「玩具」として販売された。
それらはディルドーまたはコケシと呼ばれ、勃起した陰茎と同じか少し大きめの大きさの形をしたいわゆる大人の性玩具(おもちゃ)で、電動モータを内蔵し振動するものを「バイブレーター」(略してバイブ)、または「電動こけし」と呼ぶ。
詳しくは【私の愛した日本の性文化】に飛ぶ。
◆【性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。
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