カーマ・スートラ(インド三大性典のひとつ)
インド・ヒンドゥー教はバラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されて来た多神教であり、また地域や所属する集団によって非常に多様な信仰形態をとる為にヒンドゥー教の範囲は非常に曖昧で、生活に密着した赤裸々な神であり、煩悩を容認し性に赤裸様(あからさま)ある。
インド・ヒンドゥー教は正直な神で、ヒンドゥー教の三最高神の一柱のシヴァ神(破壊神)の象徴はリンガ(男根)であり、つまり性愛の神様でもある。
ヒンドゥー教に於けるシヴァ神(破壊神)は災いと恩恵を共にもたらす神で、例えば洪水は大きな災いだが同時に「土地に水と肥沃をもたらして植物を育てる」と言う二面性があり、古来日本の五穀豊穣と子宝信仰の共通性としての性交信仰に通じる所がある。
何しろインドは、古代から人生の三大目的としてカーマ(性愛)、ダルマ(聖法)、アルタ(実利)が挙げられる国で、三大性典とされる「カーマ・スートラ」、「アナンガ・ランガ」、「ラティラハスヤ」と言った性典を生み出した愛と性技巧の国である。
カーマ・スートラは、凡(およ)そ四世紀から五世紀にかけて成立した古代インドの愛の経典と言われており、夫婦の別離を防ぐ事を目的とした「アナンガ・ランガ」、性愛秘義の「ラティラハスヤ」と並んでインド三大性典のひとつとされ、カーマ(性愛)は、ダルマ(聖法)、アルタ(実利)とともに古来インドに於ける人生の三大目的とされて来た。
原作者のヴァーツヤーヤナはカーマ(性愛)の研究の重要性を説き、本書の最後には、情欲を目的としたものではない事を理(こと)わっているが、ヒンドゥー教に於いては「生は性に通じるもの」でタブー視するものでは無いのである。
【賀茂氏(かもうじ)とカーマ・スートラ】に続く。
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