律令制に於ける位階
位階制度は位階と官職を関連づける事により(官位制)、血縁や勢力にとらわれず適材適所を配置し、職の世襲を防ぐと共に大王(おおきみ/天皇)が位階を授与する事で全ての権威と権力を大王(おおきみ/天皇)に集中し、大王(おおきみ/天皇)を頂点とした国家体制の確立を目的とした。
大宝令・養老令のうち官位について定めた官位令によれば皇族の親王は一品(いっぽん)から四品(しほん)までの四階、諸王は正一位(しょういちい)から従五位下(じゅごいげ)まで十四階、臣下は正一位から少初位下(しょうそいげ)まで三十階の位階がある。
正一位、従一位、正二位、従二位、従二位下、正三位、従三位、正四位上、正四位下、従四位上 、従四位下 、正五位上 、正五位下 、従五位上 、従五位下 と続く位階(いかい)の場合は、正*位の「正」は「しょう」、従*位の「従」は「じゅ」と読み、三位は「さんみ」、四位は「しい」、七位は「しちい」と読む事が正しい。
位階に拠って就く事のできる官職が定まり、位階に応じて衣類などにも制限が加えられ、五位以上の者には位田(支給田地/品田・ほんでん)が支給される規定となっていた。
なお律令制に於ける「貴族」とは五位以上の昇殿などの特権が与えられた者を指し、その「貴族」に対し、六位以下無位までの者を「地下(ぢげ)」もしくは「地下人(じげにん/しもびと)」と呼ぶ。
七百一年(飛鳥時代)の大宝律令の撰定から幕末に到る朝廷及び明治新政府では、故人に対して生前の功績を称え位階または官職の追贈がなされる事があり、位階を贈る事を贈位、官職を贈る事を贈官と言った。
律令制に於ける位階の制定目的は、任官の門戸を広げ、能力に拠って位階を位置付け、本来は有能な者にその位階と能力に見合った官職に就ける事で官職の世襲を妨げる事を大きな目的とした。
だが「蔭位(おんい)の制(高位者の子孫をお蔭叙位する制度)」を設けるなど世襲制を許す条件を当初から含んでいた。
何時の時代も権力者の悪知恵は働くもので、まるで現代の役人が画策する「既得権の温存画策」と良く似た建前と本音の隙間を突いた抜け道の創り方である。
その為、平安朝の初期には形骸化して官職の独占を一部の上流貴族に世襲的に許すに到って後の摂関政治の芽を創った。
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