浅井初(あざいはつ/常高院・じょうこういん)
姉は豊臣秀吉の側室となった茶々(淀殿)、妹は二代将軍・徳川秀忠・正室(継室)の江(崇源院)で、他に兄の万福丸と異母弟の万菊丸がいた。
千五百七十三年(天正元年)、初が三歳に成った頃に越前国主・朝倉義景(あさくらよしかげ)と伯父・織田信長との間に戦が起こり父・浅井長政は朝倉方に加勢して初の伯父・織田信長と交戦する。
浅井勢は善戦するも、小谷城は織田方に包囲され父・長政と祖父・久政の自害により落城してしまう。
母の市と三姉妹は織田方の藤掛永勝に小谷城から救出され、以後親子四人は織田家の下で保護をうける事に成る。
実際に妹・お市の方(おいちのかた)と長政忘れ形見の茶々、初、於江与の三姉妹を引き取り手元に保護したのは織田信秀(おだのぶひで)の五男・信包(のぶかね)で、信長の同腹の弟にあたる。
千五百八十二年(天正十年)六月、本能寺の変で伯父の織田信長が明智光秀に討たれた為、その光秀を山崎の合戦で討った羽柴秀吉が織田家中で発言力を強める中、筆頭家老・柴田勝家が秀吉と織田家後継者問題で対立をして行く。
その後継者問題で開かれた清洲会議によって母・市は織田家の有力家臣・柴田勝家と再婚し、三姉妹を連れ子に越前国・北ノ庄城へ移る。
その翌年、清洲会議がきっかけで対立していた柴田勝家と羽柴秀吉が賤ヶ岳の合戦で雌雄を争い、敗れた勝家は居城・北ノ庄城に撤退篭城するが、その落城のさいに市は勝家と共に自害した。
浅井三姉妹は敵方の総大将・羽柴秀吉の庇護をうけ、その監視下で生活する事に成る。
千五百八十七年(天正十五年)、数えの十九歳に成っていた浅井初(あざいはつ)は秀吉の計らいにより浅井家の主筋にあたる京極家の当主であり従兄弟でもあった京極高次と結婚する。
明治維新後の西欧化でロックインして今では夫婦同姓が当たり前に成っているが、東洋の国々は元々夫婦別姓が基本だったから、当時の夫婦は別姓で、生まれた家の姓が正式な名乗だから結婚しても浅井初(あざいはつ)である。
千六百年(慶長五年)、秀吉の死後に五奉行の一人、石田三成と五大老の筆頭・徳川家康が対立し、石田三成ら(西軍)が挙兵する。
京極高次は三成側につくと思わせ、関ヶ原の戦いで大津城に籠城して東軍に属し篭城戦を行い石田方西軍一万五千以上を足止めにして西軍の兵力を分散させる事に成功する。
高次は関が原本戦当日に開城したものの、西軍を足止めした功績で京極高次は若狭一国・小浜八万五千石)を与えられる。
関が原から九年後の千六百九年(慶長十四年)夫・高次が亡くなり、浅井初(あざいはつ)が剃髪・出家して常高院と号する頃、から姉の茶々(淀殿)が豊臣家の実権を掌握し、甥・豊臣秀頼を立てて徳川家康(妹・江の舅)と対立する。
常高院(浅井初)は豊臣方の使者として仲介に奔走し、千六百十四年(慶長十九年)の大坂冬の陣では徳川側の阿茶局とともに和議を取りまとめ両家の和議に尽力した。
千六百十五年(慶長二十年)大坂夏の陣で豊臣家が滅亡すると、秀頼の娘・奈阿姫(後の天秀尼)の助命を家康に嘆願するなど、最後まで姉・浅井茶々(淀殿)と妹・妹・浅井江(徳川秀忠室/崇源院)の血縁を生かして奮闘している。
浅井三姉妹の中で、関白秀吉の側室にして二代・秀頼生母の姉・茶々(淀殿)と、征夷大将軍・徳川二代・秀忠正室・江(ごう)と比べ、二女の初(はつ)は夫・京極高次が中堅大名だった為に格下の家に嫁いだと思われ勝ちである。
しかし、出自も定かではない新興の豊臣氏や郷士上がりの松平・徳川氏に比べ、京極氏は室町時代に数ヶ国の守護を兼ね、四職(室町幕府の侍所長官を交代で務める家柄)に列した名門の大名家であり、血統からすると一番格上の家に嫁いでいる。
また、京極氏は北近江の守護職領主でもあり、北近江の国人の一つであった浅井三姉妹の実家・浅井氏の直接の主筋に当たる。
高次と初(はつ)の間に子は無く、妹・江の娘で二代将軍・徳川秀忠の四女・初姫(興安院)や氏家行広の娘・古奈(母は高次の妹)らを養女とした。
側室の子で嫡子の忠高(母は山田氏)や高政(母は小倉氏)など夫・高次の子がいた。
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