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皇居内裏女官(こうきょだいりにょかん)

天皇が執務と居住する宮城(禁中)が在る所をと呼ぶ。

皇居内裏(こうきょだいり)は天皇の居住区であり妻子も同居していたが、皇室居住区に務める内裏女官(だいりにょかん)を宮中女官(きゅうちゅうにょかん)・内侍(ないし)などとも呼び、その妻・妾(側室)に関して天皇は女官も含め多妻制だった。

天皇の妻に関しては資格に厳格な決まりが在り、「皇后又は妃(ひ/きさき)」と呼ぶ妻の資格は「四品(しほん)以上の内親王」を妻にした場合で二名以内、平安期以降の別称に「中宮(ちゅうぐう)」がある。

従三位以上の公卿の娘が配偶する場合は三名以内の「夫人(ふじん/おおとじ)」があり、従五位以上の貴族の娘であれば「嬪(ひん/みめ)」と呼ばれ、「嬪(ひん/みめ)」は平安期以降は女御(にょうご)とも呼ばれ四名以内と定められていた。

その他、順次地位が下がって行くが、定員十二名の「更衣(こうい)」、定員無しの「御息所(みやすんどころ)」、定員十二名の「御匣殿(みくしげどの)」などの女官も天皇の配偶者である。

いずれにしても、格(階級)さえ下げれば公式最大は三十三名プラス無限大の配偶者が天皇には認められていた。

尚、呼称・「御息所(みやすんどころ)」に関しては後に意味が転じて皇太子・親王の配偶者を称するようになった。

天皇が公の執務を司る宮城(禁中)の内側、天皇が常住し、「皇居」、「御所」などとも呼ばれる区画を「内裏(だいり)」と呼び、天皇に近侍してそこに務める女官を内侍(ないし)と呼ぶ。

内侍(ないし)は宮城(禁中)の後宮(内裏)に在った律令制に定められた役所で、奏請、伝宣、宮中の礼式等等を掌る内侍司の女官の総称で、役職位としては「尚侍(ないしのかみ/従三位相当)」二人、「典侍(ないしのすけ/従四位相当)」二人、「掌侍(ないしのじょう/従五位相当)」四人、他に「権掌侍(ごんのないしじょう)」二人と定められていた。

女官(内侍/ないし)は未婚である事が条件で、天皇の日常生活に供奉(ぐぶ)する役目で在ったが、皇后(中宮)・妃・夫人・嬪(ひん)などと呼ばれる天皇の「妾(側室)」は女官の中から選ぶしきたりが在り、「妾(側室)」に代わる存在でも在った。

つまりお定め上、内裏(だいり)の女官は寵愛の有無に関わらず最初からお召し自由の天皇の妾妻だった。

血統至上主義の皇統に在って止む得ない事だったのかも知れないが、皇居内裏(こうきょだいり)は天皇独占のハーレムだった事になる。

江戸城大奥女中(えどじょうおおおくじょちゅう)】に続く。

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by mmcjiyodan | 2010-07-24 01:47  

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