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日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)

伝説上の英雄とされる日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)は、幼名を小碓命(おうすのみこと)、またの名を日本童男(やまとおぐな)とも呼ばれる。

古事記日本書紀に拠ると、九州を制覇した景行大王(けいこうおおきみ/第十二代天皇)の皇子とされ、仲哀大王(ちゅうあいおおきみ/第十四代天皇)の父とされる人物で、「二世紀頃に存在した」と記されている。

草薙神社(静岡市清水区草薙)は、延喜式神名帳には「駿河国有度郡・草薙神社」と記載され、日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)を祀る神社である。

草薙の地名は、日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)東征の折、草に火を放たれた尊が、三種の神器の一つ「天叢雲の剣(あめのむらくものつるぎ)」=「草薙の剣(くさなぎのつるぎ)」で草を薙払い難を逃れた地と伝えられている。

しかし実際には、日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)は聖徳太子の実存疑惑同様に記紀神話(古事記・日本書紀)の創作で、四世紀から七世紀頃の数人の大和(ヤマト)の英雄を統合した架空の人物とする見方も多く、近年定説化しつつある。

日本史には虚と実が混在している。

父の景行大王(けいこうおおきみ)に疎まれて遠征を命じられ、九州の熊襲(クマソ)を討ち、東国の蝦夷(エミシ)を平定するなど縦横無尽の活躍をするが、時として大王(おおきみ/天皇)から独立した存在や反抗的な存在にも描かれていて人格が定まらないからである。

つまり日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)は、大和朝廷(ヤマト王権)勢力を伸張して行く過程を象徴的に描いた創作である方が納得出来るのだ。

所が、大阪府藤井寺市の古市古墳群には宮内庁により「日本武尊白鳥陵(やまとたけるのみことはくちょうぼ)」に治定される陵墓が存在する。

羽曳野丘陵から東側に延びる低い舌状の尾根に築造された前方後円墳で、墳丘長は百九十メートルを測り周囲には幅約三十五メートルの濠と上面幅二十一メートルの堤をめぐらせている。

つまり定説で創作される人物・日本武尊(やまとたけるのみこと)の「陵墓が存在する」と言う何んともミステリアスな現象は、日本史全体を覆う性質の謎なのである。

尚、三兄妹・三貴神(ウズノミコ)である天照大神(あまてらすおおみかみ)月読命(つくよみのみこと)スサノウ(須佐王)は、「記紀(古事記日本書紀)神話」に於ける「)」の伝承的存在である事を心して、この日本武尊(やまとたけるのみこと/倭建命)も含め分けて扱うべきである。

注)初代・神武大王(じんむおおきみ/神話・伝説上の初代天皇)から第二十五代・武烈大王(ぶれつおおきみ/第二十五代天皇)までを「上古天皇」と分類している。

参考・【古事記・日本書紀の皇統神格化疑惑】を参照下さい。


◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

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by mmcjiyodan | 2010-09-11 16:04  

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