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黒田清隆(くろだきよたか)その(二)

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函館戦争の終結に成果を挙げた黒田清隆(くろだきよたか)は千八百七十一年(明治四年)一月から五月まで米国と欧州を旅行し、米国の農務長官ホーレス・ケプロンに顧問就任を承諾させ、他多数のお雇い外国人招請の道を開いている。

米欧旅行の帰国後の十月十五日に開拓使長官・公卿・東久世通禧(ひがしくぜみちとみ)が辞任した後は、清隆(きよたか)は次官のまま開拓使の頂点に立った。

千八百七十四年(明治七年)六月二十三日、清隆(きよたか)は陸軍中将となり、北海道屯田憲兵事務総理を命じられて同年八月二日、清隆(きよたか)は参議兼開拓長官となり、榎本ら箱館で降った旧幕臣を開拓使に官登用した。

北海道経営に携わった清隆(きよたか)は、基盤整備事業を起こし支出超過を招いて苦慮し、千八百七十三年(明治六年)に事業を縮小し、即効性を求めて産業振興に重点を移した。

千八百七十三年(明治六年)の征韓論に際して、参議になっていた清隆(きよたか)は内治重視の立場から西郷らに反対し、翌千八百七十四年(明治七年)の台湾出兵に際してもロシアの脅威をあげて不可の立場をとり、出兵後には清国との全面戦争を避ける為速やかに外交交渉に入る事を唱えている。

この千八百七十四年(明治七年)、ロシアとの交渉にあたって清隆(きよたか)は榎本武揚(えのもとぶよう)を使節に推薦して容れられ、榎本が特命全権公使として樺太・千島交換条約の交渉と締結にあたっている。

清隆(きよたか)本人は、千八百七十五年(明治八年)の江華島事件をきっかけに、翌年(明治九年)二月に朝鮮と交渉する全権弁理大臣となり、日朝修好条規を締結した。

千八百七十七年(明治十年)に西南戦争が起きると、黑田清隆(くろだきよたか)は二月に海路で鹿児島に到って出払っていた西郷軍の本拠地を確保し、いったん長崎に引き上げた。

西郷軍に熊本城は包囲され、北から来る山縣有朋の主力軍が解囲戦に苦戦していた三月十四日に、清隆(きよたか)は征討参軍に任命された。

清隆(きよたか)は敵の背後を突く為に八代付近に上陸し、三月三十日から交戦を始め、前進を続けて四月十五日に熊本城に入った。

千八百七十七年(明治十年)四月十六日に山縣と合流した当日、清隆(きよたか)は自らの辞任を請い、二十三日に辞令を受け取ったが、入れ替わりに戦線に到着した開拓使で清隆(きよたか)が育てた屯田兵は、以後の城山の戦闘まで活躍した。

西郷隆盛が城山に自刃し、翌千八百七十八年(明治十一年)にもう一人の大物・大久保利通が暗殺されると、清隆(きよたか)は薩摩閥の重鎮となった。

しかし黑田清隆(くろだきよたか)はアル中・酒乱とも評され、酒の上での醜聞には事欠かない人物で、千八百七十八年(明治十一年)に妻の清が死んだ時も、「酔った清隆(きよたか)が殺した」と噂が流れ、大警視・川路利良が清の墓を開け、病死である事を公に確認した。

その後も酒の上の醜聞と開拓使の官営事業の継続に関わる疑獄事件(開拓使官有物払下げ事件)の指弾が絶えない中で、薩摩閥の重鎮・清隆(きよたか)は第一次伊藤内閣の農商務大臣となり、伊藤博文(いとうひろぶみ)の後をうけて千八百八十八年(明治二十一年)四月に二人目の内閣総理大臣となった。

清隆(きよたか)の内閣総理大臣在任中に大日本帝国憲法の発布があったが、大隈重信が主導した不平等条約改正交渉に失敗して翌年辞任した。

第二次伊藤内閣の逓信大臣に就任、この伊藤内閣のもとで日清戦争が起こったが、清隆(きよたか)は特に活躍する事なく、千八百九十五年(明治二十八年)に枢密院議長となり、千九百年(明治三十三年)八月二十三日、脳出血で死去した。

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by mmcjiyodan | 2010-10-25 00:10  

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