奈良県五條市・幸せを呼ぶ神事・鬼走り(おにばしり)
鬼追い式は本来鬼を追っ払うと言うのが通常一般だが、此処の祭典は各地でも珍しく「幸せを呼ぶ鬼・悪霊を追っ払う鬼」としている儀式に成っている。
五條市大津の「念仏寺陀々堂」では五百年を越える伝統を誇る火の祭典・「鬼走り」が行われ、燃えさかる松明(たいまつ)を振りかざした父鬼・母鬼・子鬼が堂内を豪快に走り回り住民の災厄を払う。
「念仏寺陀々堂」は、平安末期か鎌倉時代に、この地の領主・坂合部氏(さかいべ)の氏寺として建てられ、坂合部(さかいべ)は外交に従事する渡来人を管理する部民の長が「坂合(さかいあい/境合いの意)の職掌で氏族化した」と考えられている。
「陀々堂」の意味は、達陀(だったん)の秘法(松明をかざして飛び散る火の粉で身を清め、災いを焼き払う行)を行うお堂と言う意味の達陀(だったん)が訛って「陀々堂に成った」とされる。
「鬼走り(おにばしり)」は室町時代中期から続く修正会の儀式で、平成七年には国の重要無形民俗文化財に指定され千四百八十六年(文明十八年)から数えて五百三十年ほどとなる火の祭典である。
古い鬼面の裏に室町時代・千四百八十六年(文明十八年)の墨書があり、鬼が人を守る存在で先祖の霊だった時代の姿を伝え無病息災を願い鬼が振り回す松明(たいまつ)の炎で「その年の吉兆を占う」とされる。
時系列的に言えば、平安群盗と呼ばれる「組織的な蝦夷族・先住縄文人(鵺・鬼・土蜘蛛)の抵抗」は、千百年代頃の平安末期までにほぼ鎮圧された。
鬼面の裏に記された千四百八十六年(文明十八年)の室町時代を思えば、その蝦夷族の抵抗戦の終結からから凡そ三百年後の時を隔てて始まった神事である。
逆説的に考察すれば当時の人々の認識として、そろそろ蝦夷族・先住縄文人(鵺・鬼・土蜘蛛)の名誉を「幸せを呼ぶ鬼走り(おにばしり)」として回復させる狙いが込められていたのかも知れない。
詳しくは【鬼伝説に隠された先住民(蝦夷族/エミシ族)】に飛ぶ。
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