徳川吉宗(とくがわよしむね)と「享保の改革」の謎の手足
紀州藩の妾腹の三男坊・徳川吉宗の生母は何故か謎に満ちた存在で、その出自は「作文」と言われて居る。
ここまで読み進めば、ご存知のように紀伊半島随一の大藩・徳川御三家紀州藩はその支配地領域を、古くからの影人達の里領域を重ねて(雑賀)居るか、近接(伊賀)している。
長期政権化して膿が溜まった徳川幕府を、戦乱を避ける形で浄化する為の陰謀工作を、「影人達が企んだ」とすれば、「見事な成功」と言えるのではないだろうか?
証拠は存在しないが、将軍職就任後の「吉宗の治世の成功」を考えれば、出現すべき将軍が出現したように思えるのである。
吉宗の将軍職就任までの経緯を考えれば、父や二人の兄を始めライバルの尾張藩主など、不可解な連続死に拠って吉宗が浮上してきた事は事実である。
そこに、「彼らの仕事ではないか」と疑う影人達の暗躍の可能性が、ジワリと滲んで来るのである。
それであれば徳川吉宗は、強力な闇の手勢を引き連れて、江戸城に入った事になる。
対外的には、将軍交代時の幕閣の混乱を防ぐ為、吉宗は僅かな軽輩を伴って江戸城に乗り込んで来た。
ここの辺りが目の付け所で、吉宗が身一つで将軍に据えられたのであれば、お飾りにされるのが当然である。
所が、一見無力に見えた吉宗は、幕閣重臣のお飾りには成らなかった。
紀州藩(紀州徳川家)から連れて来た既得権益に縁が無い者を公儀隠密探索方(秘密警察)に活用、幕閣の不正を暴き出し構造改革に成功する図式である。
この吉宗配下の紀州以来の公儀隠密探索方存在説は、推測に拠る状況証拠では有るが、既存勢力で固まった幕閣重臣に対抗する為に、吉宗が何らかの「影の力」を持って臨まなければ「改革など出来ない筈」だからである。
現代に於ける各省庁官僚に対しても、この公儀隠密探索方(秘密警察)構想が有って然るべきで、我輩は国会議員の国政調査権の強化と議員配下の議員国政調査官を議員一人に二人位は国費設置しないと、数千人を抱える省庁の牙城に「国会議員は歯が立たない」と思うが、いかがだろうか?
吉宗は、紀州藩士の内から名も無い軽輩者をばかり二十数名(加納久通・有馬氏倫ら)選び、側役として従えただけで江戸城に入城した。
この軽輩紀州藩士とされる側役達が吉宗改革の手足として活躍するのだが、余所者が突然やって来て既得権益でガチガチに固まっていた幕府体制を洗い出して改革するには、軽輩者の側役が実は表面に出ない「相応の諜報能力を備えていた」と言う推測が成り立つのである。
この筋書きを描いたのは、並大抵の者ではない。
相応の地位を持ち、闇の力を動かす人物であるのは想像に硬くない。
この物語を最初からお読みの方にはお判りだが、徳川家康が漢方薬に優れていたのは、松平家(徳川)が代々賀茂流(陰陽師)の血筋である事を物語っている。
恐らく家臣の加納家も加茂郷の出であるから、賀茂流(陰陽師)の血筋である可能性が高い。
吉宗の傅役(おもりやく)加納(五郎左衛門)久通は、賀茂流・松平氏(徳川氏)の影人ではないだろうか?
そして恐れ多くも、朝廷からの何らかの働きかけで動いていた可能性がある。
吉宗幼年時の「源六」が育てられた加納氏は、三河国加茂郡加納村出身である。
加納久直の時に徳川氏に仕えて代々紀州藩に属し、孫の加納(五郎左衛門)久通の代に「源六(後の徳川吉宗)」の傅役(おもりやく)と成り、主君「源六(後の徳川吉宗)」の出世に伴って久通も出世をする。
加納(五郎左衛門)久通は、紀州藩主・徳川吉宗の将軍就任に従って江戸城に入り、伊勢国内で領地千石の直参旗本、翌年下総国相馬郡内で千石加増され計二千石となる。
千七百二十六年 (享保十一年)に伊勢国内と上野国内で八千石を与えられ、伊勢八田で合計一万石を領する江戸定府(参勤交代を行なわない)の陣屋大名(城を持たない小大名)に出世する。
加納(五郎左衛門)久通は、千七百四十五年(延享二年)の吉宗隠居の際に若年寄に任じられている。
同じく紀州藩主だった八代将軍・徳川吉宗(とくがわよしむね)が紀州より連れて来て側御用取次に使った紀州藩士・有馬氏倫(ありまうじのり)は、播磨の名門だった赤松流(あかまつりゅう)の有馬氏末孫だったが、栄進して伊勢国三重郡に千三百石を与えられた。
その後、その有馬氏倫(ありまうじのり)は、下野国芳賀郡に千石、千七百二十六年(享保十一年)伊勢・下野・上総国内に七千七百石を加増され、翌年には領地の朱印状を賜って事実上一万石の大名となり、江戸定府(参勤交代を行なわない)の陣屋大名(城を持たない小大名)に出世し、伊勢西条藩を立藩した。
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