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土着・田系姓(どちゃく・でんけいせい)

氏族由来の氏姓としては線が細いが、稲作文化として歴史を刻んだ日本では、名字に田が着く姓が多い。

実は、田系姓には稲作に重要な田んぼと同じ意味を持つ事代主(ことしろぬし)の神 から始まって、田と神社とは「同等の意味を持つ」との考え方から姓に田を名乗る考えが生じた。

神社仏閣は自領を持ち、領地で農業経営していてその農業に仕える人々もいた。

つまり神社仏閣に関係する人間や、その敷地に隣接する住居を有する氏子・檀家が、その信仰の得を得る姓として田または、他の文字と組み合わせた田系姓を名乗った。


氏姓順位四位・蘇我氏族系の田中臣の田中氏、十二位・吉田連、卜部姓公家、吉田社社家の吉田氏、桓武平氏藤原氏橘氏などの諸流も伝えれられているが、由来不明も多いのが田系姓の特徴である。

氏姓順位十三位・山田姓(やまだせい)に関しては、山田臣、山田連、山田県主、平城天皇・山田皇子裔の山田氏などの他、氏族起源ではないと思われる庶民(良民)派または土着した百姓氏族で、日本の原風景である棚田に由来する農業従事者が山と田を合わせて自称した事が発祥とされる。

その他、氏姓順位七十五位の高田姓(たかだせい)も、山城国葛野郡高田郷発祥の高田首(たかだのおびと)や源平その他の氏系流を名乗る者あるが、平安期から江戸期に掛けて名族は出ていない。

氏姓順位六百三十五位の安倍氏系・今田(こんた)姓に関しては平安期に奥州(東北一帯)に住んでいた今一族(こんいちぞく)がルーツとされる。

氏姓順位八百五十八位の今氏・今一族(こんいちぞく)は、奥州気仙郡司・金為時(こんためとき/阿倍為時)の裔が後世に金(こん)から今(こん)を称す奥州阿倍氏の一支族である。

その今氏(こんうじ)が、前九年の役後三年の役の後奥州に覇を唱えた清原氏(奥州藤原氏)の下で帰農し、日本の原風景である棚田に由来する農業従事者として田を加えた今田(こんた)を称した。

今田(いまだ)氏に関しては、平安期に備後国御調郡今田邑(いまだむら)発祥の桓武平氏千葉氏流今田氏が主な所で、この場合の今(こん)は新しいの意味で、新田と同じ意味である。

詳しくは【名字のルーツと氏姓の歴史】に飛ぶ。

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by mmcjiyodan | 2011-04-02 00:57  

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