安倍川と富士山の由来 〔二〕
ここから先は完全に仮説だが、可能性があるので記述して置く。
大和朝廷に於ける貴族・土御門安倍氏が、恭順した蛮族(あくまでも朝廷側の言い分・エミシ族)の指導者であり、珠流河国造の少し前、シャーマン的指導力を持つエミシ族の長「火(アピェ・ape)」が、駿河国安倍郡辺りに「勢力を有していたのではないか」と考えないと、安倍を冠する地名が、静岡県の中部に存在した理由は思い当たらないのである。
安倍川が極古い時代の「蝦夷(えみし)族と渡来氏族の勢力境界線であった」とすれば、富士山の名の由来も理解出来る。
前述したが、アイヌ語で「フジ(huji)」は 「噴出する所」と言う意味である。
良く、富士山の事を「不死の山」と充てて信仰の対象にしているが、富士の語源がアイヌ語の「フジ(huji)」であれば、活火山として「噴出する所」・・即ち富士の山ではないだろうか?
アイヌ語の単純な火は「火(アピapi)」であるが、アイヌ語の「火の神」の火は「火(アピapi)」を使わず「火(フチfuti)」である。
火の神 (カムイフチkamuifuti)の火(フチfuti)が「火山=火の神」の言語生成図式ならば、「噴出する所(フチfuti)=火の神の火(フチfuti)」が成り立つのである。
渡来氏族の「あれを何んと呼ぶ?」と言う問い掛けへの蝦夷(えみし)族の答えが、「フジ(huji・噴出する所)」であった可能性は極めて高くなり、アピェ(ape・火の意)のカムイ(kamuy・神)が、フジ(huji・噴出する所)・・・「活火山富士山」と解する事ができるのである。
そして、恭順合流した先住蝦夷(エミシ)の族長一派が「火(アピェ・ape)」を名乗るからこそ、後の俘囚長、東北の「安倍氏」が存在するのではないのだろうか?
この辺りの経緯については、政治的配慮からか、七百十二年編纂の古事記や七百二十年編纂の日本書紀にはまったく記述はない。
このフジ=噴出する所を真剣に受け止める気が無い者は、ヌシロ(能代)やアギタ(秋田)などの本州アイヌ語地名に関しても同様で、疑問視してしまう。
例えば伊豆半島・土肥(どい/とい)の旧発音表記は「どひ」で、土匪(どひ)や奴婢(どひ/ぬひ)にも通じる。
勿論ではあるが、何しろ先住民を「土蜘蛛」と呼んだ征服氏族(渡来民族)の事で、土匪(どひ)や奴婢(どひ)は支配階級を得た征服氏族(渡来民族)が野蛮と決め付けて、先住縄文人(蝦夷族/アイヌ族)に対して勝手に文字を当て嵌めたものである。
実は、伊豆半島各地の地名には縄文人(蝦夷族)の言葉に符合するものが多であり、伊豆半島に「縄文人(蝦夷族/アイヌ族)が住んでいた」と言う推測が成り立つ。
アイヌ語で「トピ=素晴らしい土地」と言う言葉があり、土肥の先住民が縄文人(蝦夷族/アイヌ族)であれば、肥沃な土地を「トピ」と称し「トピ」と言う言葉が転じて「土肥(とひ)」に成った」と言う説に符合する。
つまり縄文人(蝦夷族/アイヌ族)の存在を否定して掛かる者は、天武大王(てんむおおきみ/第四十代)から桓武天皇(かんむてんのう/第五十代)に掛けて征服氏族の列島渡来と先住縄文人(蝦夷族/アイヌ族)の迫害の歴史を日本史から消し去る意図を持って編纂された古事記・日本書紀の捏造歴史観しか持ち合わせて居ない事になる。
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