官人接待(かんじんせったい)と神前娼婦(しんぜんしょうふ)
日本は古来から政治を致す事を「祭り事」と呼び神に仕える者の仕事だった。
渡来部族の長が夫々(それぞれ)に神を名乗った事から日本は多神教の国「神々の国」に成った。
統治の為の神話を創り出し部族の長が神となった事から鎮守神をいただく神主の地位は部族の長が務め、地位的に高位の立場だった。
「祭り事=子作り」は争いを収める目的であり「誓約行事」は神前祭祀は必要な事だった。
日本の神社には神に仕える巫女が存在し、うら若い巫女は「神前性交=子作り」の実践要員だった。
巫女はその神前祭祀の為の部族間で性交を伴う現実的な忠誠の証を性交実践する為に神に仕える要員として採用された。
御託宣(ごたくせん)の神事代主(ことしろぬし)の神に始まるシャーマニズムに於いて、「神懸(かみがか)り」とは、巫女の身体に神が降臨し、巫女の行動や言葉を通して神が「御託宣(ごたくせん)」を下す事である。
当然、巫女が「神懸(かみがか)り」状態に成るには、相応の神が降臨する為の呪詛行為を行ない、神懸(かみがか)り状態を誘導しなければならない。
巫女舞に於ける「神懸り」とは、すなわち巫女に過激な舞踏をさせてドーパミンを発生させる事で、神道では呪詛行為の術で恍惚忘我(こうこつぼうが)の絶頂快感状態、仏法では脱魂(だっこん)と言い現代で言うエクスタシー状態(ハイ状態)の事である。
まぁ、このハィ現象(脱魂)が、マラソンのランナーズハィや山登りのクライマーズハィ、そしてデスコダンスや盆踊りのダンシングハィ、もっと言えばアフリカ部族の原始的な踊りなどに共通する。
この巫女の神楽舞に依るダンシングハィの恍惚(こうこつ)の秘密アイテムとして、大麻(おおぬさ)使用の疑いがある。
何処までが本気で何処までが方便かはその時代の人々に聞いて見なければ判らないが、五穀豊穣や子孫繁栄の願いを込める名目の呪詛(じゅそ)として、巫女の神前性交行事が神殿で執り行われていた。
この巫女が「神懸かり」になる為の社殿神前性交が基と成り、やがて飛鳥期頃に神社と官人(高級貴族役人)の間で社殿神前に於ける官人接待の習慣が起こり、歌舞・音曲・性交がセットに成った「神前娼婦」と言う形態が出来上がる。
地方の小さな神社は、氏神社(うじがみしゃ)と言う地方支配者(氏族(うじぞく))起原の神社が多い。
いずれにしても神社の氏神(うじがみ・氏上)は文字通りの旧領主や旧赴任者が司執(つかさど)っていて、神社の社領を維持拡大しなければ成らない。
勿論神前娼婦(巫女)は簡単な情報収集の使命も負って居て、現代風に言えばハニートラップ(性を武器にする女スパイ)である。
何故なら、神社側は旧支配者が土着した郷士の末裔であり、官人は現支配者として赴任して来た相手で、御機嫌取りと腹の内を探る必要が在った。
つまり「氏神(うじがみ・氏上)神社」は土着した有力氏族の象徴的な施設で、中央から赴任して来た「官人」との暗闘の場でも在った。
ハニートラップ(性を武器にする女スパイ)は、安全保障の手段である。
日本は平和ボケしているからハニートラップ(性を武器にする女スパイ)など夢物語だが、現在でも世界中で採用されている最も有効な手段である。
いずれにしても、権力者を喜ばせる事は金に成ったり権力と結び付いたりの効果的な手段である。
そこで、新たにその土地に赴任して来る官人(高級貴族役人)を取り込む為の接待は欠かせず、一族の存亡に関わるからその接待は疎(おろそ)かには出来ない。
勿論新たに中央のヤマト政権から赴任して来た官人も、地元の有力者(氏上)と揉(も)めては赴任先での任が果たせなくなるから、そこは思惑が一致して上手く接待に乗る。
飛鳥期から平安期に到る時代的に考察すれば、この時代の巫女は神に仕える憧れの花形の職業で、勿論神前性交も神とのコンタクトと言う神聖な儀式で、性交に違和感は無いのである。
官人(高級貴族役人)接待に於いても、何しろ巫女は神と交わり浄化された身であるから、官人としてもその歌舞・音曲・性交接待を大いに喜んで居たに違いない。
それが遊女の原型と成り、平安末期には白拍子と呼ばれる遊女と繋がって行く。
その白拍子は源義経の愛妾・静御前で有名で、白拍子の為す遊芸も元は「神事音楽の巫術から」とされている。
その背景に在ったのは、正に巫女のシャーマニズムと性交呪詛が「誓約神話(うけいしんわ)」の古代信仰文化として深く関わっていた事に他ならない。
【神前祭祀(しんぜんさいし)と大麻(おおぬさ)】に続く。
詳しくは、小論【遊女(女郎)の歴史】を参照下さい。
詳しくは、小論【誓約(うけい)】をご参照ください。
★時代が異なれば「宗教観や性への考え方」も違う。
当ブログ・「皇統と鵺の影人検索キーワードダイジェスト集」は歴史関連記事で、時代に沿った記事内容が現代の社会風俗と比較すれば、当然異なる場合がある。
しかしその内容を、「歴史論」では無く個人が持ち合わせる「感情論」で評価されても議論は噛み合わない。
つまり、歴史的事実と言う「理性」では無く現代の風俗意識で判断する「感性」のみの判断基準で非難するのは品格に劣る稚拙な行為である。
◆【性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。
◆世界に誇るべき、二千年に及ぶ日本の農・魚民の性文化(共生村社会/きょうせいむらしゃかい)の「共生主義」は、地球を救う平和の知恵である。
◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。
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