安政大地震(あんせいおおじしん)
「滅多にない事」と「ない事」は明らかに違う。
例えば、観測単位が百年~二百年間に遡ると大地震も大津波も結構頻繁に起こっていて、安易に想定外とはとても言いがたい。
現に徳川幕府二百六十年間に於いて、第五代・徳川綱吉(とくがわつなよし)の「元禄大地震(げんろくおおじしん)と宝永大地震」、江戸末期の第十三代・徳川家定(とくがわいえさだ)の代の「安政大地震」の二度も起こっている。
にも関わらず、短い自分の人生経験だけを頼りに「今まで大した事無かった」と津波の規模を根拠なしに予測したり、「今まで事故が無かったから安全だ」は、まさしく間違ったアンカリング効果である。
千八百五十四年(嘉永七年/安政元年)、東海道地区で安政東海地震(マグニチュード八・四の巨大地震)、その僅か三十二時間後には安政南海地震(これもマグニチュード八・四の巨大地震)、その二日後には豊予海峡(大分と愛媛の間)地震(マグニチュード七・四の大地震)と立て続けに三連動で発生して居る。
その翌年の千八百五十五年、今度は江戸府内および関八州一帯に被害をもたらした安政の関東大地震(マグニチュード六・九)が起きている。
この大地震を安政三大地震と言い、関東地震(関東)、東海(静岡県)、東南海(中京~南紀)、南海(南紀~四国)と、巨大地震がしばしば連動する。
この巨大地震、「同時期または二~三年後に発生する」と言われ、「約百年~百五十年の周期で活動期に入る」とされている。
安政三大地震は、関東・東海・四国・九州の各地に甚大な被害をもたらせる。
まだまだ文明開化以前の事で、日本に「地殻変動」などと言う地勢学の概念などまだ無いから、「神様がお怒りに成っている」と、民心は素朴に不吉がって、騒然としていた。
地震を科学的に理解する時代ではない江戸末期、天変地異は民心を不安ならしめ、幕府の権威失墜に大きな力に成って作用しても不思議ではない。
ちょうど、黒船で米国(アメリカ)のぺりー艦隊が来航した時期(千八百五十三年~四年の二回)と、この安政三大地震が重なるなど、幕府にとっては泣きっ面に蜂である。
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皇統と鵺の影人
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