ハニートラップ(性を武器にする女スパイ)
飛鳥期の「神前娼婦(巫女)」も簡単な情報収集の使命も負って居て、現代風に言えばハニートラップ(蜜の罠/性を武器にする女スパイ)だった。
何故なら、神社側は旧支配者が土着した郷士の末裔であり、貴人・官人(高級貴族役人)は現支配者として朝廷から赴任して来た相手である。
鎮守氏神の神官に納まった旧支配者が一定の勢力を維持するには、新たに赴任して来た貴人・官人の御機嫌取りと腹の内を探る必要が在った。
つまりハニートラップ(蜜の罠/性を武器にする女スパイ)は、安全保障の手段である。
その神前娼婦(巫女)の進化形ハニートラップ(性を武器にする女スパイ)が、平安期に活躍した勘解由小路(かでのこうじ)党の遊妓・「白拍子(しらびょうし)」だった。
その遊妓・「白拍子(しらびょうし)」の遊芸や神楽舞(かぐらまい)から発展したのが、室町期の足利文化として育った「能楽(のうがく)」や「狂言(きょうげん)」、そして戦国期の「阿国歌舞伎」だった。
諜報活動兼芸能従事者に関わる氏族出自の者は、実は修験道から派生した武術忍術の技能集団である。
諜報分野に於いては情報収集、及び広報活動が要求される事から、遊興を通じての情報収集や、民衆に意図的なプロパガンダをする目的手段としての氏族芸能従事者は存在した。
となると、氏族の諜報活動兼芸能従事者の中から、観阿弥・世阿弥親子のように猿楽を猿楽能として大成させる者も出て来る。
彼らは、明らかに氏族の出自だった。
ほかにも、歌舞伎や人形浄瑠璃と言った日本の古典芸能は、こうした氏族の諜報活動兼芸能従事者の下で育まれた。
だが、これを被差別民衆が「芸能と関わる側面が大きかったから」と言って、「賤民(せんみん)奴婢(ぬひ)」と言う被差別民衆の間から、「種々の芸能が生まれた」とするのは、明らかに間違いである。
つまり「阿国歌舞伎」の出雲の阿国は、歌舞音曲を用いて旅回りをしながら、情報収集を為すハニートラップ(性を武器にする女スパイ)だった。
その阿国を使ったのが、諜報活動を能(よ)くする在地の勘解由小路党の草・雑賀鈴木党で在った可能性は、極めて高い。
日本は平和ボケしているからハニートラップ(性を武器にする女スパイ)など夢物語だが、現在でも世界中の諜報機関で採用されている最も有効な手段である。
【出雲阿国(いずものおくに)】に続く。
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◆世界に誇るべき、二千年に及ぶ日本の農・魚民の性文化(共生村社会/きょうせいむらしゃかい)の「共生主義」は、地球を救う平和の知恵である。
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by mmcjiyodan | 2012-04-01 02:00