探題(たんだい)
探題(たんだい)は、元々仏教用語で使われていた職で、僧の資格を問う論議に於いて出題に対し出された答えに判定を行う役の僧を言った。
その判定役名・探題(たんだい)を、裁判権など重要な判定を行う幕府の職位に転用したものである。
鎌倉幕府に於ける探題(たんだい)は、幕府の両所たる執権(政所別当/政務執行者/管領とも呼ぶ)と連署(公文書に執権と連名で署名)の中央二役職、そして畿内周辺を担当する重要出先機関・六波羅探題職を指す。
執権、連署、六波羅探題の三職の他に、西国に置かれた広範囲な裁判権、軍事指揮権を持つ職にも探題(たんだい)の名が与えられた。
この西国に置かれた探題(たんだい)は、関東・相模国に在った鎌倉幕府が西国運営の為に置いた出先機関とその職責者を指す名称で、長門探題(中国)、鎮西探題(九州)の二ヵ所に設置赴任されていた。
尚、この鎌倉幕府の探題制とは別に、安倍一族系の秋田・安東家が、勝手に蝦夷探題(えみしたんだい)を称して一時羽州(出羽/秋田、山形)を仕切っていた。
時が移り、京都・畿内に政府を開いた室町幕府では鎌倉の執権に相当する執事(政務執行者)または管領(将軍補佐/幕政統轄)が置かれた。
室町幕府初期に於ける将軍補佐役が、足利氏の譜代家人から採用される執事の職で、二代将軍・足利義詮(あしかがよしあきら)の晩年から幼少の三代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)の頃までに、執事から管領の呼称変更がなされている。
これら執事または管領は探題とは呼ばず、やはり京都・畿内の中央から遠い奥羽や西国に於いて広範な執行権を持つ職に対して探題が用いられた。
室町期の探題(たんだい)は、奥州探題(陸奥/青森、岩手、宮城、福島)、羽州探題(出羽/秋田、山形)、中国探題(旧・長門探題)、九州探題(旧・鎮西探題)の四ヵ所である。
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