霊長類の基本的な生殖行動は「群れ婚」
チンパンジーの雄(オス)達は一頭の発情期の雌(メス)に順番に群がり、雌(メス)は一日に何頭もの雄(オス)と交尾する。
その理由は「確実な種の保存の為」で、雌(メス)が依り強くて優秀な精子に回(めぐ)り逢う目的で「自然がそうした生殖行動を選択させていた」と言う立派な理由が在るからだ。
霊長類の妊娠は基本的に年一回程度で、しかも基本的に出産は、一出産当たり一体である。
なので、他の哺乳類の様に沢山産んで生き残り率を確保できない分、健康な精子を得る必要があるからと解釈できる。
これは「種の保存」のメカニズムが主体の自然な生殖行動であるから、雄(オス)雌(メス)の生殖機能には目的に添った違いが在る。
当然、雄(オス)の方は次と交代させる為に肉体的に一度の射精で終わるが、雌(メス)の方は連続交尾を受け入れられる構造を、生殖器がしている。
つまり生物としての現生人類は、「確実な種の保存の為」に本能的に「虚弱精子劣性遺伝」や「XY染色体の劣勢遺伝」などを生殖機能として知っていた事になる。
人間と同じ類人猿・ボノボやチンパンジー、オランウータンは群れ婚で、本来発情期の雌(女性)は依り良い遺伝精子を得る為に複数の雄と連続性交するのが普通だった。
最も人類に近いチンパンジーの生殖行動でも判る通り、元々人間の元である霊長類の雌(メス)には強い精子を受け入れる為に発情期に多くの雄と連続して性交する資質がある。
ただ、人間社会が自然本能・群れ婚を否定して行く過程には、資産とか経済とかの群れとは別の個人の「財」が介在するようになる。
「財」が「子育て」に必要不可欠になり、女性の家に男性が通う「呼ばう(夜這い)婚」を経て、概念としての「家制度」が生まれ、群れ婚は崩れて行った。
しかしこの自然本能的に多くの異なった遺伝子を必要とする女性の脳の思考メカニズムは、現在でも深層部分で自然本能として存在する。
実は子を為した後の女性が本能的に次の遺伝子を求め、連れ合いの男性に嫌悪感を感じてセックスレス夫婦に陥(おちい)る傾向が在る。
群れ婚だった人類が、「子育て」に絡んで成立させた人間社会が、自然界に於ける脳科学的な機能とは乖離(かいり)しているからである。
つまり自然界に於いては、子供が出来ればその遺伝子の男性は「用済み」と脳が勝手に想うのである。
それが現代では、女性の関心が夫から離れ子供に傾倒して夫婦間に隙間が生じ、多くの離婚の芽が生まれる一因と成って居る。
こうした生き物としての生態系が人間社会の我侭(わがまま)で無視され、人間の実社会が自然な種の保存と乖離(かいり)してしまった現状で、社会矛盾に拍車が掛かっている。
この学説を証明する為に、新疆ウイグル自治区の四千年前に描かれた世界初のエロ本とでもいうべき壁画には、女性一人に順番待ちする多数の男性の姿が描かれている。
性に関わる物をタブー(触れたくないもの)とし、清廉を正義ぶってモラル(道徳)・インモラル(不道徳/背徳的)を説いても、それは本当に正しいのだろうか?
どうにも納得出来ない事に、子が為せなければ「その家族の物語が途絶えてしまう」と言う切実な苦悩がある。
当時者にしてみれば、「妊娠不能」は上っ面の建前倫理観で論じられたくない深刻な家庭問題である。
それを天命として、途絶える物語を受け入れるのがモラル(道徳)と言うのなら、確かにそれは切ない話しだった。
その救済措置としての「日本古来の種の保存装置」は、当時の人々が知恵を絞った「暗闇祭り(くらやみまつり)」の風習だった。
◆【類人猿・ボノボ こそ、争いを回避する知恵の原点】
◆【性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。
小論・【ホモサピエンス(知性人)の 「種の保存と遺伝子」】よりご紹介。
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