大仙古墳(だいせんこふん)は仁徳天皇陵か?
大仙古墳(だいせんこふん)の墳丘長は日本最大で、墓域面積は世界最大であるとされ、周囲の古墳と共に百舌鳥古墳群(もずこふんぐん)を構成している。
大仙古墳(だいせんこふん)は、宮内庁により「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」として第十六代・仁徳天皇の陵に【治定(考古学的矛盾あり)】され、「仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)」や「仁徳陵古墳」とも称されている。
つまり大仙古墳(だいせんこふん)は「記紀(古事記・日本書紀)」や「延喜式」などの記述により仁徳天皇の陵と【治定】されているが、確たる証拠はない。
日本の歴史を辿って調べて見ると、客観的に見て極めて人為的な「奇妙な違和感」が到る所に存在した。
その一つが聖徳太子(厩戸皇子/うまやどのみこ)の実在疑惑であり、もう一つがここでご紹介する仁徳大王(にんとくおおきみ・第十六代天皇)の存在である。
歴史学は、後世のその場に居合わせ無い者が、多くの情報の辻褄を合わせて推定する学問で、単純に「古文書に記載が在るから正しい」とするのは邪道の極みである。
なぜならば、古文書を代表する古事記・日本書紀にしても、リアルにその時代に記述されたものでは無く、短くても二百年~百五十年間以上の時を経てから、天皇統治の正当性を証明すべく目的を持って編纂された物である。
にも拘(かかわ)らず、「歴史の説(記・紀神話の異説)」を書き記すと、多くの者が「どの文献からの引用か?」と問うて来る。
しかし残念な事に、当然古文書には為政者や利に関わる者の意志が繁栄され、歴史が捏造される事も少なくない。
大仙古墳(だいせんこふん)が、一般には「仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)」とも呼ばれるが、「延喜式」などの記述とは大きく食い違がある。
百舌鳥の地には仁徳天皇、反正天皇、履中天皇の三陵が築かれたとされ、実はどれが仁徳天皇陵かは認定できない為に「治定」と言う。
古文書の内要に疑義があれば、この「説の証拠」は「どの文献の由来(出典)」では無く、出来るだけ多くの事象の「辻褄を合わせての推測」なのだ。
つまり歴史現象を裏付ける事象の「辻褄を合わせ」が、数多く集中している条件こそが、推定される真実の歴史である。
仁徳大王(にんとくおおきみ・第十六代天皇)の父親が八幡神の応神大王(おうじんおおきみ/第十五代天皇)が、実在性が濃厚な最古の大王(天皇)とも言われる。
だが、応神大王(おうじんおおきみ)・仁徳大王(にんとくおおきみ)同一説が存在する。
同一説に付いては、仁徳大王(にんとくおおきみ)の事績の一部が父の応神天皇と重複・類似する事から、「元来は一人の天皇の事績を二人に分けて記述した」とする見方が学者間に存在する。
仁徳大王(にんとくおおきみ)の称号の根拠となっている「竈(かまど)から炊煙の善政」逸話は、大王(おおきみ)に「直接徴税権が無かった」と言う大きな矛盾がある。
仁政として知られる仁徳大王(おおきみ/天皇)は、「人家の竈(かまど)から炊煙が立ち上っていない事に気づいて租税を免除し、その間は倹約の為に宮殿の屋根の茅さえ葺き替えなかった」と言う記紀の逸話を持つ大王(おおきみ/天皇)である。
こうした「善政の逸話」は多分にその人物の神格化の為に記紀(古事記・日本書紀)に於いて架空創作された内容である疑いが濃い。
なぜなら、記紀(古事記・日本書紀)に記載の逸話「民の竈(かまど)」で知られ、人家の竈(かまど)から炊煙が立ち上っていないことに気づいて租税を免除し、その間は倹約の為に「宮殿の屋根の茅さえ葺き替えなかった」と伝えられている。
しかしながら、当時の初期大和(やまと)朝廷王権の地方支配形態の現実を検証すれば、大王(おおきみ)には直接徴税権は無かった。
大王(おおきみ)=大国主(おおくにぬし)は都市国家もどきに乱立した国主(くにぬし)=国造(くにのみやっこ・こくぞう)の中から有力者が互選によって選出され、大和朝廷が成立した。
つまり国主(くにぬし)に大幅な地方支配権を残したまま、大王(おおきみ)が即位したもので、徴税権を含む直接の地方支配はそれぞれの国主(くにぬし)=国造(くにのみやっこ・こくぞう)の支配だった。
関連小論・【仁徳天皇(にんとくてんのう)と天皇陵(てんのうりょう)】をご一読下さい。
◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。
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by mmcjiyodan | 2015-06-24 17:21