山伏(やまぶし)
この修験道の「密教・山岳信仰」のルーツこそ、中華帝国を経由し仏教と習合して伝わった遥かヒマラヤ山脈の「夜這いの国々のヒンズー教起源」である事は間違いない。
元々弘法大師(こうぼうだいし/空海)が中国から持ち帰った経典を現代の先入観に当て嵌めて真言密教を理解しようとする所に無理がある。
弘法大師(こうぼうだいし/空海)が中国から持ち帰った経典には、ヒンドゥー教の経典も多数含まれていた事から、真言密教が生まれた。
だからこそヒマラヤ原産の桜木も日本に伝わり、吉野に代表する山岳信仰と桜木は日本でも一体のものと成った。
山伏は「やまぶせ」とも読め、恐らくは身を隠す仕事(影の仕事)を意味している。
大和朝廷の幕開けの頃、「恐怖の支配」を実践したのは、初期修験道師達である。
初期修験道師は、果たして民間の自然発生的なものだったのか?
疑うべき最大の疑問は資金と組織力で、表向きの個人的な宗教への情熱などが理由では余りにも話が綺麗過ぎる。
つまり、行動範囲と人数の規模が、不自然に大掛かりに過ぎるのだ。
それに修験者のあのお馴染の「行者服」の出(い)で立ち、中々凝っていて高価そうである。
山中でも一目で識別が可能なしろものであるが、活動費や行者服(ぎょうじゃふく)の資金はいったい何処から出ていたのか?
あれは常識的に考えて「軍事組織か警察組織の制服にしか見えない」が、如何か?
昔は武人の装備を「出(い)で立ち」と言った。
これには、機能性以外に相手を威圧したり心服させる為のアピール効果の目的が込められている。
いずれにしても、残念ながら人間の見かけなどそう差が有る訳ではないから、衣装や住居など現代にも通じる「こけおどし」が無ければ相手には中々認めては貰えない。
修験者の「行者服」の出(い)で立ちの裏に、「表沙汰にし難い理由」があり、宗教(信仰)でカモフラージュして民間の体裁を整えた「公的な秘密組織ではないか」と、我輩は疑ってみた。
元々衣装や装飾は、身分を現す為の言わば「分別標識」である。
童話ではないが、王子と乞食が衣装や装飾を取り替えれば、だれも乞食が「本物の王子だ」とは気が付かない。
わが国でも「馬子にも衣装」と言う諺(ことわざ)がある。
裏返すと、元々大差がないものをそれらしく見せる為に衣装や装飾は存在し、時代に拠っては身分の違うものに、その衣装や装飾の使用は制限されていた。
国家を形成する重要要件の一つが帰属意識(きぞくいしき)である。
人間には帰属意識(きぞくいしき)があり、その帰属意識(きぞくいしき)は人種(民族意識)だったり国(国民意識)だったり、同一宗教や勤務先企業だったりするのだが、その根底に在るのは「人間が群れ社会の生き物である」と言う極原始的な本能にある。
また、その帰属意識(きぞくいしき)の形成過程に影響を与えるのが、この「群れ社会の生き物」と言う原始的な帰属本能と「集団同調性(多数派同調)バイアス」と言う心理効果の利用である。
この集団同調性(多数派同調)バイアスに関してだが、多くの場合は宗教指導者や為政者、またはその両者が協力して「信仰心や民話の刷り込み」が応用され帰属意識(きぞくいしき)を醸成して行く事になる。
天武帝や桓武帝が進めた古事記・日本書紀の編纂とそれを広める陰陽修験道師の活動は、正に帝の下に国家を統一させる為の国策だった訳である。
そして異説だが、縄文期に古代イスラエルの失われた十支族の一部が列島に移り住んで原住民と民族的に和合し、縄文人を形成した痕跡が存在する。
その縄文人が「ヘブライ文化の一部を定着させた」と言う、未だ解明されない「古代ヘブライ(ユダヤ)伝説」がある。
実はこのヘブライ文化が、六百九十九(文武天皇三年)に役小角(えんのおずぬ)が成立させたの陰陽道に、日本列島の原信仰として取り入れられた形跡がある。
そしてかなり時代が下ってからだが、神前祭祀(しんぜんさいし)に於ける邪気払いの大麻(おおぬさ)は、修験道の「祈願・焚(た)き行」でも使われていた。
大麻草(マリファナ)は、真言密教の遠祖・チベット仏教(ラマ教)の地であるヒマラヤ高地一帯で自然に自生していた薬草である。
当然ながら密教・修験道師(山伏)は、大麻草(マリファナ)を焼(く)べればその煙を吸引した人が陶酔作用を引き起こす事をしばしば信者獲得に利用した。
大麻草(マリファナ)で陶酔すれば幻覚も見、それを素直で真面目な人物ほど「信仰の奇跡」と捉えるのは自明の理である。
つまり密室での「焚(た)き行」の陶酔の中で、願主と修験道師(山伏)が如何なる加持祈祷儀式を為して居たかは当事者しか知らない。
陰陽師起源の詳しくは、小論【陰陽師=国家諜報機関説】を参照下さい。
◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。
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