大久保利通(おおくぼとしみち)
また大久保利通(おおくぼとしみち)は、「維新の十傑」に数えられる人物でもある。
「幼少期に西郷隆盛と共に学問を学び親友となる」と言う記述が多いが、生まれた場所も育った環境も大きく違い、大久保と西郷は青年期に成るまでろくな面識は無かったのが事実である。
たまたま激動の時期に、薩摩藩に二人の秀才が同時に現れ、途中から倒幕の志を同じくして、協力し合うように成った間柄だった。
大久保と西郷は、幕末の動乱期に、同じ藩に在して同じ志であったから力を合わせた親友には違いないが、「竹馬の友」は誤報である。
西郷隆盛、木戸孝允(桂小五郎)と並んで「維新の三傑」と称される大久保利通(おおくぼとしみち)は、薩摩藩・御小姓与と言う身分格の下級武士で琉球館附役の大久保利世の長男として生まれている。
利通(としみち)は藩の記録所書役助として初出仕するも、お由羅騒動(嘉永朋党事件)では連座して罷免され謹慎処分となるが、余程能力を買われていたのか島津斉彬が藩主となると藩記録所御蔵役として復職し、四年後には徒目付(かちめつけ)になる。
大久保利通は、元服時に通称を正助、「諱」は利済(としさだ)と名乗るが、後に藩主の父・島津久光から異例の抜擢を享け、一蔵の名を賜りこれを通称する。
その後時期は不明だが「諱」を利済(としさだ)から利通(としみち)に改名する。
大久保利通が薩摩藩改革派の指導者として頭角を現したのは、奄美大島潜伏を命じられた西郷隆盛を盟主的存在とし後に世間が「誠忠組」と名付けた薩摩改革派グループが水戸藩浪士と共同して大老・井伊直弼を暗殺し、京都への出兵を行おうとする「突出」を大久保利通らが主導して計画した事である。
これは後に起こる二・二六事件のようなもので、薩摩藩内の言わば青年将校に拠る藩主や藩重役に対する反乱とも言える行動だった。
しかしその利通(としみち)達の「突出」計画は、藩主・島津茂久及びその父で後見役の島津久光から軽挙妄動を抑制されて頓挫し、結局、井伊直弼暗殺には有村次左衛門のみが桜田門外の変に参加し、それを国元へ伝えた兄の有村雄助は切腹処分となる。
この大久保利通、秀才型の人間で論理的だったが、その分「人情の方はクールだった」と見え、人情派の西郷隆盛とは正反対、キツイ性格の理論派タイプで余り周囲の人気は無かったが、とにかく「権力欲と実行力は強かった」と評されている。
思うに「秀才肌・理論派」と言う大久保利通は、タイプとしては石田三成型かも知れない。
まぁ子孫に、党内で人気が無くて四回目の総裁選でやっと総理の座を射止めた麻生太郎総理が居るが、「血は争そえない」と言う所か。
大久保一蔵(利通)は薩摩藩主の父・薩摩藩の事実上の最高権力者・島津久光の上洛に伴って京に上り、そこで寺田屋騒動(てらだや騒動)に直面する。
しかし出世の糸口を掴んだ一蔵(利通)は、薩摩改革派グループのリーダーで在りながら薩摩藩尊皇派粛清事件をクールに見過ごして自分の保身を図る事を遣って退けている。
薩摩藩家老と言う立場で大久保の活動を支援し、反りの合わない島津久光と西郷吉之助(隆永)の間に入り仲を取り持って西郷の活躍の場を作ったのが小松帯刀(こまつたてわき・清廉/きよかど)で、時流を読んで薩摩藩をリードしたその存在は維新史に欠かせない。
つまり大久保の活躍は、かなりの部分が小松帯刀(こまつたてわき)の後ろ盾に拠るものだった。
ご存知の通り、大久保利通は西郷隆盛と同じ薩摩藩士で、明治維新の立役者の一人である。
西郷の盟友としてともに維新に尽力したが、維新政府設立後は、その国家運営(征韓論/異説あり)で西郷と対立し、袂(たもと)を分けた事に成っている。
無鹿は百年ほど前、日本最後の内戦(西南戦争)の主戦場だった。
明治時代初期に起こった「征韓論」では、竹馬の友であり同志であった西郷隆盛と大久保利通が対立し、内乱(西南の役)に発展、維新の英雄「西郷隆盛」は、城山で非業の死を迎えている。
或いはスサノウが「大久保利通」に宿り、無二の親友を殺させても、「倭人相打つ」を阻止したのかもしれない。
明治新政府に叛旗をひるがえした薩摩西郷軍が、熊本で敗れた後、官軍との勝敗の行方を決める「最後の決戦」をして、無残に破れた所が「無鹿の地」だった。
西南の役終結の翌年、大久保利通も暴漢のテロに刺殺されてあの世に旅立っている。
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