黄金の国ジパング
伊豆国(伊都国)は、往古より黄金の産出する土地だった。
伊豆の金山が歴史に現れるのは、ズット下った平安末期くらいからだが、伊豆半島が他に類を見ない金の国だった事は、多くの金山が存在し、昭和の中頃まで採掘されていた事でも想像が着く。
判るものだけでも挙げると、大仁金山(静岡県田方郡修善寺町)、天正金鉱(静岡県田方郡土肥町)、土肥金山(静岡県田方郡土肥町/過去・佐渡の相川金山に次ぐ国内第二位だった)、 伊豆天城鉱山(静岡県加茂郡西伊豆町)、縄地金山(静岡県賀茂郡河津町)、蓮台寺金山(静岡県下田市)、 伊豆猪戸金山(静岡県下田市)、 清越金山(静岡県田方郡土肥町)、持越鉱山(静岡県田方郡天城湯ヶ島町)などである。
そしてご存知の通り、こうした鉱山探索の仕事は朝廷から各地に派遣された影人集団・陰陽修験者の仕事でもあった。
実は、この伊豆の金山が紀伊半島「吉野」と非常に関わりがある。
学者・研究者の説では、「吉野には隠し金山が有ったのではないか」と言われている。
つまり、大和朝廷が豊富に使用した金の出所に関心を持ったのである。
しかし、「吉野」の金山はまったく採掘の記録がないまま「手をつけては成らぬ」と言う伝承が有るだけで、表面化した歴史は無い。
「吉野に金山があった」と言う伝承はあるが、未だにその痕跡すら発見はされていない。
そこで我輩は、この伊豆半島と紀伊半島の関わりについて、別の推理をした。紀伊半島「吉野」周辺では、辰砂(しんしゃ/丹・水銀)が採れた。
当時、水銀は大変利用価値のある産物で、まず薬として使われ次いで朱(赤色)が得られるため塗り物に使われ、日本の古くからの「**丸」の対抗として存在する「**丹」は、この水銀が薬として使われた名残である。
次に大きな注目点としては、安土・桃山期にキリスト教伝来と合い前後してもたらされた西洋の金の精製法が使われる前は、この辰砂(しんしゃ/丹・水銀)が金の精製に使われる貴重なものであったのである。
従って、当時「辰砂(しんしゃ/神砂)」の産地を押さえる事は、大きな力を得た事であった。
手に入れた力は維持しなければならない。
そうなると本当の産金地を隠し、精製に必要な丹(辰砂・水銀)を手に入れるには、紀伊半島にその本拠地を移す必要がある。
賀茂・葛城の一族は、伊豆半島に信頼の置ける同族を配置し、「特別な土地」とするとともに、紀伊半島に、故郷伊都国(伊豆国)と同じ様な地形(奈良飛鳥の地)を選び、故郷と同じ名称の地名をつけて都に仕立て上げた。
つまり二つの懸案を解決する為に、伊豆の地の賀茂・葛城の痕跡を消しながら、神武東遷(じんむとうせん)物語のヤタガラス道案内神話(賀茂・葛城の協力)をでっち上げ、まんまと伊豆半島から目を逸らせたのである。
ジャパン(ジパング)の語源と思われる呉(ご)の国について記述する。
中国大陸に在った呉(ご)の国が、何で海洋民族国家なのかを説明しておく。
おなじみのサツマイモを例に取ろう。
日本国内でサツマイモと言うのは薩摩(鹿児島県)から国内に広がったからであるが、薩摩に行くと琉球(沖縄県)イモに成り、琉球に行くと唐(とう)イモに成る。
サツマイモは、黒潮に乗って少しずつ北上し、渡来したのだ。
今は和服と言われる着物も、未だに「呉服」とも呼ばれている。
呉の国は、中国の福健省の辺りで起こった大国だが、これが南方系の海洋民族である。
ミクロネシア、ポリネシアなどの海洋民族が海流に乗って北上、福建省の海岸沿いや、台湾島に上陸して、国を作った。
つまり、呉の国は隼人(スサノウ)の身内なのだ。
今でも「福建語」と言われる地元の言葉は、ほとんど、「台湾語」と同じで、共通している。
この台湾語では、中国の共通語(普通語・プートンファ・北京語)と違い日本語に近い発音も多い。
たとえば、漢数字の五を普通語では「うー」と発音するが、台湾語ではずばり「ご」である。
ついでながら、普通語(北京語)で日本を「りーべん」と発音するのが、福建・台湾語では「じっぷん」で、恐らくジャパン(ジパング)の語源と思われる。
奥州藤原氏の「隠し金山説」については、これを滅ぼした源頼朝が必死でその在りかを探させたが見つからなかった。
勿論、現代日本の科学力を持ってしても、奥州藤原氏の「隠し金山説」は発見されては居ない。
藤原秀衛(ふじわらひでひら)と源義経を結び付けた金売吉次(かなうりよしつぐ)が、天皇家の隠し伊豆金山群から産出される金を奥州藤原氏に売って中尊寺(金色堂)は創建されたのである。
詳細は【葛城ミステリーと伊豆の国=伊都国(いとこく)説】に飛ぶ。
【大和(やまと)のまほろば(マホロバ)】に飛ぶ。
【第一巻】に飛ぶ。
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