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生駒吉乃(いこまきつの)

天下布武(てんかふぶ)の為に鵺(ぬえ)になった織田信長ではあるが、彼が人間らしい一面を覗かせたエピソードを紹介しておく。

織田信長(おだのぶなが)に愛され織田信忠織田信雄を生んだ「生駒吉乃」は、側室であるが、正室並に扱われ信長に愛されていた。

念を押して於くが、織田信長婦人と言ってもこの時代は夫婦別姓で、正式には実家の姓を名乗るから、生駒吉乃(いこまきつの)の名乗りは妾でなくとも生駒吉乃(いこまきつの)である。

この生駒吉乃(いこまきつの)に、「信長は母の面影を見ていたのではないか?」と睨(にら)んでいる。

母の愛に恵まれなかった信長の愛した生駒吉乃の父親は、生駒親正(いこまちかまさ)と言い、親正の父・生駒親重(ちかしげ)は、信長の母・土田御前の兄で、土田家から生駒家に養子に入った為に姓が違うが、つまりは母方の従弟の娘が「生駒吉乃」である。

信長はこの「生駒吉乃」を頻繁に寝所に召し、特に「激しく抱いた」と言う。

織田信長(吉法師)は、その突出した才知故に母(土田御前)に愛されなかった人物である。

信長は心を開かない母に生涯心痛めながらも、母を慕っていた。

しかし、思いは通じない。

その母の愛に飢えた思いが、天下布武にまい進させ、また、母方の姪(生駒吉乃)を妾(正室並の側室)にし、情を注ぐ事に成ったのである。

唯、人間は必ず何かを背負って生きる者で、何事にも代償は必要である。

何もかも上手く行ってはバランスは取れないものであるから、背負った不幸を不服に思ったら負けである。

生駒家(いこまけ){秀吉中国大返しの奇跡(二)}】を参照

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by mmcjiyodan | 2008-04-30 00:05  

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