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天宇受売命(あめのうずめのみこと)

天照大神(あまてらすおおみかみ)が、隠れ籠もってしまった天岩戸を「天手力男(あめのたじからお)の命」がこじ開ける時に、天照大神が「何事か?」と、覗き見の隙間を開けさせたのが、この「神楽(かぐら)の始まり」と聞く。

その、岩戸に隙間を開けさせる歴史的きっかけになった神楽の原型は、「天宇受売命(あめのうずめのみこと)の胸(乳房)も女陰(女性器)も露わなストリップダンス」、と言われている。

天宇受売命(あめのうずめのみこと)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸(天石屋戸/あまのいわと)に籠った時に、岩戸の前で踊った女神で、「宇受(うずめ)」は「かんざし」の意で、髪飾りをして神祭り(神楽舞)をする女神、更には「神憑った(かみがかった)女性の神格化を示す」とされている。

この天宇受売命(アメノウズメノミコト)のストリップダンスの伝説に直面すると、「これは子供には教えられない」又は「神聖な日本の歴史に、そんな卑猥(ひわい)な話は似合わない」と建前主義の発想が湧き、次に思う事は「その部分には触れないで置こう」か、「無かった事にしてしまえ」である。

表向きの奇麗事(建前)ばかり言って、事の本質に触れずに事を済ませてしまうのが日本人の妖しい所だが、その奇麗事が「歴史の認識にまで及ぶ」と成ると少しおかしな話である。

つまり巫女の神楽舞は、天宇受売(あめのうずめ)の命(みこと)の岩戸(石屋戸)神楽が原形である。

記紀(古事記及び日本書紀)の記述からは「神懸かって舞った」と読める天宇受売命(アメノウズメノミコト)は、神託の祭事を行なう巫女である。

この「神懸かって舞った」と言う巫女の存在が、時代が下がると「官人接待(かんじんせったい)と神前娼婦(しんぜんしょうふ)」と言う形に変化して行く。


列島の民(日本人)は、「先住民(縄文人蝦夷族)と渡来系部族の混血だ」と言われていて、天宇受売(アメノウズメ)の夫神・猿田毘古神(サルダヒコガミ)は先住民(縄文人)、后神・天宇受売命(アメノウズメノミコト)は渡来系弥生人だった。

神話においては、猿田彦が天孫降臨を感知して雲に上って上天し、「途中まで出迎えた(渡来を歓迎?)」とされ、その時天孫(渡来人・進入部族)は猿田彦に対し天宇受売命を「使者として交渉させた(誓約・性交による群れの一体化の儀)」と言う。

つまりこの夫婦(めおと)二神の役割もまた、「新旧民族の融和(誓約)の象徴」と言う訳である。

この夫婦(めおと)二神が、天狗(猿田彦)とオカメ(天宇受売)に成り、後世に伝承される神楽舞の面(おもて)として残った。

そして誓約(うけい)の精神こそ民族和合と言う最大の政(祭り)事であり、シャーマニズムに満ちた神楽舞の真髄なのではないだろうか。


初期の神話には、日本列島で遭遇した多くの部族が「誓約」に依り、次の世代が混血して「異部族融和を図る過程が暗示されている」と解釈される。

貴方は、神事・慶事に使う「しめ縄の由来」をご存知か?

しめ縄とは、天の岩戸に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)が天宇受売命(あめのうずめのみこと)のストリップダンスの賑わいにつられて岩戸を少し開け、外を覗き見た所を手力雄命(手力王の尊/たぢからおうのみこと)が岩戸を引き開けて天照大神を連れ出し、天照大神のまわりに「しりくめ縄を引き巡らした」と言う神話がこの「しめ縄の初めだ」と言われている。

しめ縄は、「尻久米(しりくめ)縄」の略したものと言われ、久米(くめ)は「出す」を意味している事から、直訳すると「尻を出す縄」と言う事に成る。

神聖な伝承に於いて、天照大神が「しりくめ縄を引き巡らされる」・・・この意味するものはいったい何だろうか?

こんな解釈をすれば嘘で固めた良識派の「尻久米(しりくめ)縄を巡らしたのは岩戸の入り口の方だ」と反発はあるだろうが、この「天の岩戸伝説」を解するに「異民族同士の誓約(うけい)儀式の顛末伝承」と考えれば「尻久米(しりくめ)縄」に神代誓約(じんだいうけい)儀式の「リアルな意味が込められている」とも解釈できるのである。

いずれにしても神代の当時は現在のように性を秘するべきものでは無く、民族和合の誓約(うけい)儀式や五穀豊穣の祈りの証明としての性交儀式は神聖なものとして捉えられていたので、頭から現代風に受け取らず神代の当時の積もりで「尻久米(しりくめ)縄」の伝承を古事を辿りて偲い受け取って貰いたい。

当時、誓約(うけい)の古事は民族和合の誇るべき神事だった。

だから誓約(うけい)の精神に従って、「戦いを止めてベット・インをしよう」の誇るべき古事の為、神楽舞の面(おもて)、古くは天狗の鼻が男性器を表し、オカメの口は女性器を表していて、神楽舞台上で合体の為にサイズが合わされているのが本式である。

祭事として「神懸かって舞う」下りは、新旧民族の融和(誓約)の象徴を精神的に祝う神への奉納の舞である。

この誓約(うけい)の精神は、時代が下って行くと、争う敵将を味方につける為の「政略結婚」に変化して行くのである。

猿女君(さるめのきみ/朝廷の祭祀に携わる氏族の一つ) の祖神とされている天宇受売(あめのうずめ)の命(みこと)の、猿女君(さるめのきみ)の氏は「神楽の事に供す」として、宮中に奉仕し、主として「神楽に携わった女子」であるとされ、各地に神楽や芸能の神として祀られている。

この時天照大神を騙すのに使われたのが、三種の神器の一つ「八咫(ヤタ)の鏡」であった。


実はこれらの神話は、多くの多部族・多民族が日が昇る東の外れの大地・日本列島で出遭った事に始まる物語である。

その多部族・多民族が夫々(それぞれ)に部族国家(倭の国々)を造り鼎立していた日本列島を混血に拠って統一し、日本民族が誕生するまでの過程を暗示させているのである。


ストリップダンスを踊るなど、神様にしてはずいぶん人間臭い逸話である。

つまり、「天照大神(あまてらすおおみかみ)」が気になり、覗き見る程に「観客の神々」を沸かせるには、相応の仕掛けが必要なのだ。

この岩戸神楽、実は現実の里神楽に大きな意味を持たせる伝承だったが、それは追々筆を進める。

宇治県主(うじあがたのぬし)と猿田彦大神(サルダヒコオオミカミ)】に続く。

◆神話で無い、リアルな初期日本人の成り立ちについては、【日本人の祖先は何処から来たのか?】を参照下さい。

詳しくは【天照大神・天の岩戸伝説は只の神話か?】に飛ぶ。

性文化史関係一覧リスト】をご利用下さい。

◆世界に誇るべき、二千年に及ぶ日本の農・魚民の性文化(共生村社会/きょうせいむらしゃかい)の「共生主義」は、地球を救う平和の知恵である。

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by mmcjiyodan | 2008-04-30 03:59  

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