辰砂(しんしゃ/丹・水銀)
辰砂(しんしゃ)の名の由来であるが、中国の辰州(現在の湖南省近辺)で多く産出した事から、「辰砂(しんしゃ)」と呼ばれるようになった。
日本では魏志倭人伝の邪馬台国にも「其山 丹有」と記述され、弥生時代から産出が知られていて奈良県以外でも徳島県、大分県、熊本県などで産する鉱石鉱物である。
辰砂(しんしゃ)は硫化水銀類からなる鉱物で、別名に赤色硫化水銀、丹砂、朱砂などがある。
水銀は毒性が高いと言われているが、それは有機水銀や水に易溶な水銀化合物の事で、辰砂(しんしゃ)のような水に難溶な化合物は「毒性が低い」と中国医学では考えられ「朱砂」や「丹砂」等と呼び、鎮静、催眠を目的として、現在でも使用されている。
古来日本では「丹(に)」と呼ばれ、赤色(朱色)の顔料や漢方薬の原料として珍重されている水銀系の重要な鉱石鉱物だった。
辰砂(しんしゃ)は透明感のある深紅色の菱面体結晶、或いは不透明な赤褐色の塊状として産出し、錬丹術などでの水銀に精製された。
奈良県宇陀市榛原区の八咫烏神社は鴨建角身命(かもたけつのみのみこと)を祭神としている。
八咫烏(ヤタガラス)は、紀伊半島を勢力圏としていた豪族・丹生氏が、神武天皇に味方した事を指していると、言われている。
賀茂氏の方はその八咫烏(ヤタガラス)神魂命(かみむすびのみこと)の祭祀を司る賀茂神社を奉る祠官である。
紀伊半島では、丹(辰砂・水銀)が採れた。
その丹を司(つかさど)るのが、丹生(たんじょう)氏である。
この辰砂(水銀)に目を付けて高野山を真言宗の本山としたのが、弘法大師(空海)であった。
当時、水銀は大変利用価値のある産物で、まず薬として使われ、ついで朱(赤色)が得られるため塗り物に使われ、次に金の精製に使われるなど貴重なものであった。
日本の古くからの薬剤品名「**丸」の対抗として存在する「**丹」は、この水銀が薬として使われた名残である。
従って、当時「辰砂」の産地を押さえる事は、大きな力を得た事であった。
つまり、弘法大師には「辰砂(水銀)」を背景にした資金力があった。
それで、真言宗は信徒の懐を当てにする事なく全国に寺を展開して、急速な布教が出来たのだ。
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皇統と鵺の影人
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